軍事化される福祉 米軍統治下沖縄をめぐる「救済」の系譜
[2025年2月/A5H/312頁/]
著=増渕あさ子
発行=インパクト出版会
目次:
序章
はじめに
生かす権力と死なす権力
境界空間(liminal space)としての占領下沖縄
軍事優先の医療衛生政策
沖縄戦後史における医療衛生研究
章構成
第一章 「神に見捨てられた」島で
-アメリカ人宣教師と米軍占領下沖縄
はじめに
沖縄ミッションへの呼びかけ
天皇とキリスト教の神
先祖祭祀とユタへの対抗
宣教師と土地接収
小括
第二章 占領を「ケア」する
-米軍統治下沖縄の公衆衛生看護婦
はじめに
沖縄における戦前保健婦制度
公看制度導入の背景
公看の「専門化」と冷戦文化政治
研修プログラムと対米認識
生政治の境界にて:キャンプタウンにおける性病管理
結核対策と「規律化」ネットワーク
結核撲滅のために「琉球」を描く
現場における矛盾
小括
第三章 帝国を架橋する-トランスパシフィックな「援助・救済」 回路
はじめに
東西を架橋する
ハワイ沖縄移民と沖縄救済
日本政府のアジア太平洋開発援助プログラム
トランスパシフィックな医療ネットワークの中核(nidus)を築く
小括
第四章 「命」を乞う-土地闘争と「救済の法」
はじめに
「土地問題」の始まり
補償、援助、救済
「乞食」する
「島ぐるみ闘争」の封じ込め
占領下沖縄福祉への日本政府の介入
「人口問題」とその解決としての移民政策
小括
終章 境界空間における「暴力」
「救済」の系譜
戦争と福祉
「復帰」がもたらしたもの
あとがき
参考文献