ナチ時代のドイツ国民も「犠牲者」だったのか？ 犠牲者の歴史政治学

［2025年4月／四六判／200頁／］　
著=高橋　秀寿　
発行=白水社

「過去の克服」とは何か？　戦後ドイツの「犠牲者」認識の変遷を追い、歴史認識と国民形成の関係を根元から問い直す。

目次：
序 章
1 ナチ時代のドイツ国民=「犠牲者」？
2 犠牲者概念
3 本書の目的

第1章 反ナチ抵抗犠牲者とその戦後
1 ヒトラー暗殺未遂事件の「7月20日の男たち」
2 「白バラ」抵抗運動
3 ヒトラー爆殺計画事件の単独犯-G・エルザー
4 反ナチ亡命者

第2章 追放と性暴力
1 終戦期の被追放者
2 被追放者の表象
3 追放の受動的犠牲者から能動的犠牲者へ
4 性暴力犠牲者とその戦後

第3章 反ナチ抵抗犠牲者の記憶
1 「抵抗」範疇の拡大-エーデルヴァイス海賊団とG・エルザー
2 「7月20日の男たち」と「白バラ」記憶の構造転換
3 英雄から救済者へ

第4章 追放の記憶
1 よみがえる記憶とその政治化
2 ポピュラー・カルチャーの中の追放者

第5章 性暴力の犠牲の語りとトラウマ
1 性暴力犠牲者の語り
2 戦争児とトラウマ

終 章
1 本書のまとめ
2 〈犠牲者の歴史政治学〉の意味と意義
3 〈犠牲者の歴史政治学〉と「私たち」

あとがき