アナーキーのこと
[2025年7月/四六判/288頁/]
著=フランシス・デュピュイ=デリ/トマ・デリ
訳=片岡 大右
発行=作品社
目次:
●民主主義とアナキズム
「民主主義者」が侮辱的なレッテルだった頃
政府と国家の違い
正しく理解された民主主義はアナーキーに似る
アナキズムとアナーキー
論壇アナキズムにはご注意を
アナキズムに聖典なし
「アナキズム」の定義とあり方
「なぜわたしはアナキストなのか」
●権力(第1部)
命令とはなにか?
この世で最初の命令はいつ、どこで現れたのか
●人類学
権力を持たない族長
地理学者クロポトキンの発見
●人間本性
権力はいつでも腐敗する
戦術の多様性の尊重
●形而上学
アナキストの自然観
すべては運動である
●暴力とテロリズム
なぜ自由主義の歴史書では暴力が不問になるのか
行為によるプロパガンダ
暴力肯定・否定論
●アナキズム運動の歴史
19世紀の革命運動
第二次世界大戦の広がり
アジア/アフリカのアナキズム
現代アナキストのステレオタイプと実態
●アナキズム思想のさまざまな潮流
アナルコ・コミュニズムとアナルコ・サンディカリズム
蜂起主義個人主義的アナキズム
●アナキズムとフェミニズム
フェミニズムとの共通点
運動内の性差別
アナルカ・フェミニストの重要性
●アナルコ・エコロジー
原始主義、ディープ・エコロジー、リバタリアン
●黒旗と丸囲みのA
2つのシンボルの由来
●内部でのさまざまな論争
統一化多様性か
売春をめぐる連帯と廃止論
●アナキストとは誰か?
なぜ命令や権威を破壊したいと望むのか
問題は「権威」か、それとも「権力」か
「完璧なシステム」という幻想
●権力(第2部)
結局、権力は悪いのか?
張り巡らされた支配と交差性(インター・セクショナリティ)
●親と子
人生で最初に出会う権威=親
子どもが教師を選ぶ学校
●国家
アナキストが国家に賛同しない理由
投票ではなくコンセンサス形成を
「政府の廃止」とはどういうことか?
近代人にとっての自由とは
軍隊と警察
二つの国家観
税金・ボランティア・共通財(コモンズ)
●人類の共同体のさまざまな起源
教会と国家が不可欠だった頃
人類学者たちの指摘
●宗教
宗教のなかにあるアナーキー
純粋なアナキストがいないとしたら
家父長とミソジニー
自由恋愛とポリアモリー
●資本主義と経営者
労働における権威の問題
●レイシズムとナショナリズム
国民性なるものの恣意的な性格
抽象的な議論ではなく、具体的な政治経験を生きる
●未来
権威の担い手が見えにくい現代で
結局アナキストは何に貢献しているのか
革命志向ではないプラグマティックなアナーキー
改めて、アナーキーとは何か?
●「アナーキーのポケット」をつくること-訳者あとがき
