〈男らしさ〉のゆくえ [増補版] 男性性の文化社会学

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[2025年8月/四六判/288頁/] 
著=伊藤 公雄 
発行=新曜社


目次:
まえがき 
増補版まえがき

I〈男らしさ〉の神話とその解剖
1〈男らしさ〉の戦後社会史
禁欲する男-吉川英治『宮本武蔵』
男の負い目-吉田満『戦艦大和ノ最期』
征服する男-小島信夫『アメリカン・スクール』 
タフな男-石原裕次郎『嵐を呼ぶ男』
「不器用」な男―高倉健『昭和残侠伝』『網走番外地』シリーズ
明るい男-加山雄三『エレキの若大将』
少年同性愛-七〇年代、少女マンガの世界
セクシーな男-沢田研二「危険なふたり」
未成熟な男-山口百恵「プレイバックPart2」
居直る男-さだまさし「関白宣言」
傍観する男-少年マンガ『北斗の拳』のケンシロウ
ひ弱な男-八〇年代〈ロリコン・コミックス〉
悩む男-柳沢きみお『妻をめとらば』
「主夫」の誕生-村瀬春樹『怪傑!ハウスハズバンド』他
シングルという選択-海老坂武『シングル・ライフ』
男女対等-育時連編『男と女で「半分こ」イズム』
フェミニズムを通過した後の時代の男たち

2〈男らしさ〉の現在-男たちはどこへ向かえばいいのか
はじめに 
〈男らしさ〉のジレンマ
女を「怖がる」男たち
マスメディアのなかのリブ
「反時代的女差別」?
男はなぜ「自立した女」が怖いのか
疲れ始めた男たち
男たちはどこへ向かおうとしているのだろうか
新しい男性像の模索

3〈男らしさ〉と近・現代社会
はじめに 
文化のなかの「男」と「女」
歴史のなかの「男」と「女」
近代社会と男性支配
戦後日本社会のなかの「男」と「女」
男性問題の九〇年代へ

II〈男らしさ〉の文学社会学
4〈男らしさ〉の革命と挫折-イタリア・ファシズムにおける性と政治
〈男らしさ〉の神話
〈男らしさ〉と近代社会
イタリア・ファシズムにおける性と政治 
〈男らしさ〉の挫折 
〈男らしさ〉からの逃亡 

5〈男らしさ〉の重荷-チェーザレ・パヴェーゼの生と死
「生きる」という苦役 
アメリカの神話 
「政治」の季節のなかで 
所有なき愛 

6 性別化されたディスクールを越えて-ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』を手掛かりに
ヴァージニア・ウルフとの出会い
『灯台へ』
「母」の物語
「男性支配」/そのジレンマ 
『灯台へ』における三角形
見出された「表現」

III〈男らしさ〉のゆくえ
7 男の性もまたひとつではない
はじめに
男という課題
男性問題の時代
男性研究の開始
〈男らしさ〉からの解放/〈男らしさ〉への解放
「ひとつ」にすること/「ひとつ」にされること 
男の性もまた「ひとつ」ではない

8 男性学・男性性研究のゆくえ
はじめに
ヨーロッパや日本での男性性の研究
男性運動の発展
男性学・男性性研究の広がり
なぜいま男性学・男性性研究だったのか?-揺らぐ近代社会の中で
ゆらぐ男性性と剥奪(感)の男性化
男性対象のジェンダー平等の動きを
おわりに-男性の「ケアの力」の構築へ向かって

あとがき
増補版あとがき-多様性に耐えられなくなり始めた社会を前に

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