渦巻の芸術人類学 死と再生のスパイラル

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[2025年9月/四六H/464頁/] 
著=鶴岡真弓 
発行=青土社

目次:
プロローグ ユーロ=アジア文明のパースペクティヴ
-「芸術人類学」の方法とダ・ヴィンチの「組紐」

序章 渦巻芸術の誕生-なぜ「渦巻」は表現されてきたのか
1. 自然から芸術へ
2. 文様とシンボルの芸術人類学
3. 「ユーロ=アジア世界」の東西からみる


第I部 生還のスパイラル構造
第1章 グッゲンハイム美術館と西洋「渦巻思想」の遍歴
-F・L・ライト、ギリシャ神話、ダンテ、ポー、ヒッチコック
1. グッゲンハイム美術館の体感空間
2. 壁なき「流れ」の発見
3. スパイラルの「降下と上昇」
4. ギリシャ神話とダンテ『神曲』
5. 映画『めまい』と怪奇小説『メエルシュトレエムに呑まれて』
6. ケルト神話とライトの館-受難を超えて


●コラム 西洋「視覚世界」のパラダイム・シフト

第II部 ケルト渦巻の思想-驚異のミクロコスモス
第2章 「トリスケル」の反転-超高速の三つ巴
1. ヨーロッパの南北-視覚芸術の差異
2. 「ラ・テーヌ様式」の美学
3. ケルト三つ巴「トリスケル」
4. 古典とケルト-ベルヌーイの遺言


●コラム 「バタシーの楯」

第3章 再生の炉-冶金術と渦巻文様の始原
1. 「メタル」(金属)から「ヴェラム」(子牛皮紙)へ
2. ユーロ=アジア世界の交流-スキタイとケルト
3. 「炉」からの誕生

特別チャプター 渦巻く幕間 「西方の奇想」-ジョイスと修道士
1. 赤い騎士の予言
2. ウンベルト・エーコと『ケルズの書』の迷宮
3. ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』


第III部 アイリッシュ・ダンスが起こす渦
第4章 『リヴァーダンス』-大飢饉の移民史
1. 奇跡の「リヴァーダンス」
2. アイルランド人の「エグザイル」


第5章 ケルト文様のナショナル・アイデンティティ-「トリスケル」の復活
1. 渦巻・組紐・結び目文様
2. 祖国のアーツ&クラフツ
3. 舞踏の「トリスケル」


●コラム 生と死をみつめた「シャン・ノース」

第IV部 「ケルト・アニメ三部作」とケルティック・スパイラル
-アイルランド発のアニメ芸術
第6章 『ブレンダンとケルズの秘密』-『ケルズの書』の受難とデザイン

第7章 『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』-異界と繋がる「万霊節」の巻貝

第8章 『ウルフウォーカー』と狼の精霊-ケルトとアングロ=サクソンの対立を超えて

第V部 縄文と古ヨーロッパの「女神土偶」-「生・死・再生」の渦巻
第9章 「女神」と「母神」-「産む性」を支えた「表現者たち」
1. 「古ヨーロッパ」の考古神話学
2. 縄文文明の「女神」土偶
3. 縄文芸術の渦巻
4. 古ヨーロッパの女神
5. 「エネルゲイア」としての渦巻


●コラム 「産む性」と「考える人」

第10章 宇宙生成論(コスモゴニー)と「母胎」渦巻-死の壺からの再誕生
1. 「身体」と「文様」
2. 「インド=ヨーロッパ語族」文明のパラダイム・シフト
3. 「死からの再生」の器


エピローグ 「禍(わざわい)」を超える「渦(うず)」-「死からの再生」
1. 「象」の由来-曖昧で豊饒な「速記」
2. 「渦」と「禍」と死者の力


あとがきに代えて

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