現代アイヌ文学史論〈近代編〉 アイヌ民族による日本語文学の軌跡

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[2018年4月/四六判/528頁/] 
著=須田茂 
発行=寿郎社


目次:
はじめに
序章
一節 「近現代」という時代区分について
二節 近現代のアイヌ民族における「文学」
三節 「アイヌ民族」の範囲


第1章 異言語(日本語)の強制と同化教育
一節 キリスト教によるアイヌ教育
二節 日本政府のアイヌ教育
三節 独立系のアイヌ教育
四節 金成太郎の位置


第2章 樺太からの発信〈その1〉-山辺安之助『あいぬ物語』
一節 山辺安之助の『あいぬ物語』の梗概
二節 『あいぬ物語』の出版経緯
三節 『あいぬ物語』の編集過程
四節 『あいぬ物語』の文学的評価


第3章 樺太からの発信〈その2〉-アイヌの民俗誌
一節 『極北の別天地』-バフンケ、アトイサランデ、シベケンニシの声
二節 千徳太郎治の『樺太アイヌ叢話』
三節 『樺太アイヌ叢話』について
四節 『樺太アイヌ叢話』の謎


第4章 武隈徳三郎の『アイヌ物語』とその周辺
一節 武隈徳三郎の『アイヌ物語』の出版経緯
二節 『アイヌ物語』の内容と意義
三節 知られざる武隈の生涯の解明


第5章 知里幸惠の『アイヌ神謡集』-原風景の創出
一節 知里幸惠の略歴
二節 アイヌ文学史における業績
三節 知里幸惠の文学の鉱脈
四節 『アイヌ神謡集』の波紋
五節 『アイヌ神謡集』の普遍性


第6章 詩歌人たちの登場-内なる越境の始まり
一節 違星北斗の文学と思想
二節 バチェラー八重子の献身
三節 森竹竹市の詩歌と訴え


第7章 近代後期の言論者たち
一節 貝澤藤蔵と『アイヌの叫び』(1931年)
二節 貫塩喜蔵(法枕)と『アイヌの同化と先蹤』(1934年)
三節 『蝦夷の光』を舞台とした言論(1930〜33年)
四節 辺泥和郎と『ウタリ乃光リ』(1932〜34年)
五節 川村才登と「アイヌの手記」(1934年)


第8章 近代後期のキリスト教系アイヌ文学の系譜-ジョン・バチェラーの弟子たち
一節 『ウタリグス』(1921〜25年?)
二節 『ウタリ之友』
三節 片平富次郎(1900〜59年)
四節 向井山雄(1890〜1961年)
五節 上西与一(?〜1944年?)
六節 知里高央(1907〜65年)
七節 山内精二(1911〜85年)
八節 江賀寅三(1984〜1968年)


第9章 内なる越境文学としての近代アイヌ文学
一節 越境文学とは何か
二節 「内なる越境」とその特徴
三節 近代日本とアイヌ民族の「内なる越境」
四節 近代アイヌ文学のテーマとして「同化」と「同化政策」
五節 近代アイヌ文学の声、再び
六節 近代アイヌ文学の特徴と意義-結論として


あとがき
主な参考文献
人名索引

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