「全国部落調査」出版差止め裁判 3152日の記録
[2025年10月/A5/368頁/]
編=部落解放同盟中央本部
発行=解放出版社
鳥取ループ・示現舎は、被差別部落のアウティングを目的に「全国部落調査」出版を目論んだ。本書は、その出版を差止めるために闘った3152日に及ぶ裁判の記録である。裁判の経緯や識者の見解、そして詳細な裁判資料も掲載。
目次:
〈グラビア〉「全国部落調査」出版差止め裁判8年間の闘い | 片岡遼平
〈巻頭あいさつ〉インターネット上の部落差別情報の根絶にむけて | 西島藤彦
第1部 裁判闘争の経過と評価
「全国部落調査」裁判の経過と課題 | 片岡明幸
〈コラム1〉プロ責法の改正で「平穏な生活を送る人格的利益」は守られるのか | 赤井隆史
第2部 裁判の争点と高裁判決の意義
「差別されない権利」判決の意義と活用について | 指宿昭一
-「全国部落調査」復刻版出版差止め裁判東京高裁判決確定に際して
残された課題-差止めの範囲・部落解放同盟の原告適格 | 河村健夫
インターネット時代における差別情報削除の困難性 | 中井雅人
一人ひとりの人格権としての「差別されない権利」 | 山本志都
〈コラム2〉総務省が「情プラ法」で省令・ガイドラインの考え方示す | 赤井隆史
第3部 原告の声
「全国部落調査復刻版」差止め訴訟の結審にあたって | 藤井梅治
高裁判決をばねに「差別禁止法」制定へ | 岡田英治
「全国部落調査」復刻版出版の判決を聞いて | 植村あけみ
「部落探訪」削除裁判に高裁判決の適用を | 田村賢一
憲法一三条、一四条を根拠にした確定判決の意義を広く宣伝しよう | 近藤登志一
第4部 判決の批評
「全国部落調査」復刻版裁判と差別されない権利 | 金子匡良
社会学からみた「全国部落調査」裁判 | 阿久澤麻理子
-部落差別の「系譜性」「属地性」、そして「差別裁判をたたかう」ということについて
差別解消のための民事裁判 | 金 尚均
差別されない権利の類型論-国際人権法の視点 | 前田 朗
「全国部落調査」復刻版裁判に現れた「転出者」の実態を知ることの重要性 | 齋藤直子
第5部 今後の展望
つぎなる闘いへ-「部落探訪」削除裁判の完全勝利をめざして | 赤井隆史
〈コラム3〉「部落探訪」仮処分決定をつぎなる闘いにつなげよう | 赤井隆史
〈資料〉
「全国部落調査」差止め裁判東京地裁判決(2021年9月27日)
「全国部落調査」差止め裁判東京高裁判決(2023年6月28日)
「全国部落調査」差止め裁判東京高裁判決(東京地裁判決加筆・訂正版)(2023年6月28日)
東京法務局長「識別情報の摘示による人権侵犯事件について(説示)」(2016年3月29日)
法務省「インターネット上の同和地区に関する識別情報の摘示事案の立件及び処理について(依命通知)」(2018年12月27日)
阿久澤麻理子「意見書」(2018年5月10日)
