食権力の現代史 ナチス「飢餓計画」とその水脈
[2025年9月/四六判/324頁/]
著=藤原 辰史
発行=人文書院
目次:
序章 歴史概念としての食権力
1 標的にされるパン屋
2 飢餓を必要とする世界
3 食権力という概念
4 食権力論の先駆
5 歴史のなかの食権力
第1章 第一次世界大戦と食権力-ナチス飢餓政策の精神的基層
1 土地なき民に、民なき土地を
ナチスの植民地主義/第二歴史家論争/FAOの基盤としてのナチズム批判
2 第一次世界大戦期の食権力-飢餓の被害者として
全独逸飢餓に迫る/ドイツの飢えの背景/代用食品と豚殺し
3 農村婦人の第一次世界大戦
農村婦人とはだれか/「食べられるもの」の発掘/
捕虜と闇市―バイエルンの農村女性たち
4 ナチスの飢餓シンドローム
ダレの第一次世界大戦観/バッケの第一次世界大戦観/
黒海と大西洋をまたぐユダヤ系穀商人/「穀物メジャー」の源泉
5 食権力の水源としての黒海地域
第2章 ナチスの飢餓政策-史上最大の殺人計画
1 「世界史上最大の殺人計画」の準備
石油と食糧/常軌を逸した行政文書/ロシア人の胃袋は伸縮自在
2 飢餓政策の結果
ソ連市民の飢餓/ソ連捕虜の飢餓/労働不足と飢餓計画という矛盾/
闇市と虐殺のあいだ/トレブリンカの犬
3 「東方」とナチズム
「民族ドイツ人」たちの入植/入植者のみた暴力/
「ブラッドランド」の飢餓
4 ナチス飢餓政策の史的文脈
女たちの第二次世界大戦/欧米食支配への「抵抗」
第3章 ナチスの飢餓から世界の飢餓へ-ジ・カストロの「政治生態学」
1 外国から見たナチスの飢餓計画
マリア.バビツカ/ゾラフ・ヴァルハフティグ/
飢餓計画と対決したブラジル人-ジョズエ・ジ・カストロ
2 ブラジルからの問い-ジ・カストロのたたかい
なぜ、人は飢餓を論じたがらないのか/
ブラジル北東部に飢餓をもたらしたもの/土を食べる/飢餓に抗する有機農業
3 世界食糧委員会―ジョン・ボイド・オアの夢
オアの挑戦/政治生態学へ/ヒトラーとジ・カストロ/
飢えは人生のダイナマイトである
第4章 イスラエルの食権力-洗練される生態学的統治
1 農薬攻撃の現代史
2 失われゆくガザの食
封鎖という食権力/食権力の発露としての入植
3 パレスチナの生態学的統治
農業と漁業に対する攻撃/水の収奪/意図的な飢餓/ガザの枯葉剤
4 食権力の成功例としてのイスラエル
終章 ナチスとイスラエルと現在の飢餓をつなぐもの
1 「飢餓計画」と現在のあいだ
2 飢餓という罰
3 砂時計のくびれ
4 ニュルンベルクを生き延びた「飢餓計画」
5 ナチス・ドイツの穀物商
6 ナチスの「人道主義」
6 来るべきテーブルのために
註
参考文献
人名索引
あとがき
