炎上で世論はつくられる 民主主義を揺るがすメカニズム
[2026年1月/文庫/208頁/]
《ちくま新書》
著=山口真一
発行=筑摩書房
目次:
はじめに-SNSが選挙を動かす時代
第1章 SNSが選挙を変えた年-2024年の衝撃
1 2024年-SNSと選挙の転換点
「石丸現象」という名の地殻変動
ナラティブが選挙を動かした兵庫県知事選
SNSと社会が乖離した2020年都知事選で
利用するが信頼はしていない
2 2025年参院選-加速したSNSの影響
ネットが生み出す熱量
SNSが争点を決めるのか?
既存メディアはネットに負けたのか?
自民党を叩けばフォロワーが増える?
外国の影が忍び込むとき
3 SNS×選挙が人々にもたらしたもの
SNSは候補者をどう変えたか
情報が専門家から一般市民のものに
「偶然の出会い」が投票を後押しする
4 「注目されたもの勝ち」の経済原理は民主主義に何をもたらすか?
政策よりも言葉の強さが求められる時代
「言えば叩かれる」社会
瞬間的な人気が勝ち負けを決める
SNS選挙時代に問われる有権者の行動
第2章 炎上のメカニズム-「言葉の刃」としてのSNS
1 「言葉の刃」が人を萎縮させる
言葉が人を傷つけるとき
誹謗中傷が民主主義を破壊する
知らぬ間に刺さる言葉、気づかぬ痛み
2 炎上する民主主義
怒りの連鎖が議論を消すとき
炎上は熱狂する“少数”から始まる
極端な声が多く見えるのはなぜか?
怒りはネットで拡散しやすい
3 炎上が広がるメカニズムとは?
炎上は加速し、拡散し、そして持続する
メディアとSNSがつくる炎上の連鎖
注目が暴力を生むアテンション・エコノミー
4 誰が炎上に参加しているのか?
世帯年収が高いほど炎上に関わる
誰が炎上を呼び寄せるのか?
その「正義」は本当に必要なのか?
過剰な萎縮という罠
第3章 フェイク-民主主義を揺るがす誤情報
1 フェイク情報が選挙結果を左右する
真偽不明情報が蝕む選挙空間
「フェイク情報元年」には何が起こったのか?
フェイク情報はいつの時代も存在した
日本でも広がるフェイク情報の現実
日本は国際的に見てもフェイクに弱い
陰謀論が政治を揺さぶる
2 実証研究が示す「人はこうして騙される」
フェイク情報に多くの人が騙される
自信がある人ほど騙されるという逆説
陰謀論は誰にでも忍び寄る
フェイク情報が持つ「広まりやすさ」の仕掛け
フェイク情報が民主主義を揺るがすとき
3 生成AIによる「with フェイク2・0時代」の到来
生成AIの光と影
ディープフェイクはすでに社会を歪めている
あなたも見抜けない偽物があふれる社会
誰もがディープフェイクを作れる時代に
誰も「真実」を信じない
AIが虚構の世論を作り出す
「お金」と「政治」のためのフェイク情報
第4章 規制で解決できるのか?-情報流通の社会的枠組みを問い直す
1 法的規制の光と影
法律でフェイクや誹謗中傷に立ち向かう
規制強化のジレンマ
「スリッパリー・スロープ」の危うさ
選挙期間中のマネタイズを規制する
ディープフェイクへの対処
2 民主主義を守るための情報社会設計とは何か?
ファクトチェックは情報環境を変えられるか
ファクトチェックで人々を誤情報から守れるのか?
プラットフォーム事業者に求められる責任
メディア情報リテラシー教育を社会に根付かせるために
技術による対抗の必要性
「怒り」を利用してきた既存メディア
「深さ」でも「わかりやすさ」でも勝てない
揺らぐ既存メディアの優位性
出遅れた日本のフェイク対策
第5章 人類総メディア時代をどう生きるか?-未来への提言
1 人類総メディア時代の生き方
「誰もが発信者」の光と影
フェイク情報の拡散に加担しないためにできること
(1)拡散前にひと呼吸
(2)感情に流されない
(3)「自分だけは騙されない」と過信しない
(1)情報源を確認する
(2)「語り手」が専門家かどうかを見極める
(3)複数の情報を突き合わせる
(4)画像や動画の真偽を疑う
家族が陰謀論にはまったら
誹謗中傷の加害者にも被害者にもならないために
(1)「加害者にならない」ために必要な視点
(2)「被害者になったとき」の最優先課題
2 歴史から「今」を見る
軍事が最も重視された18世紀まで
「いかに富を築くか」を競った産業社会
情報社会の始まり
3 「表現の自由」を軸とした社会的進化
情報社会の発展期に差し掛かった現在
豊かな情報社会への進化
あとがきにかえて-情報社会の未来を生きる私たちへ
参考文献
