抵抗のカルトグラフィ 占領下日本/沖縄文学の身体と空間
[2026年2月/四六判/272頁/]
著=佐久本 佳奈
発行=青弓社
目次:
まえがき
序 章 日本/沖縄をめぐる認知地図
1 占領者の認知地図-ヴァーン・スナイダー『八月十五夜の茶屋』
2 被占領者の認知地図の陥穽-大江健三郎『沖縄ノート』
3 第三の地図を作製する
4 本書の構成
第1章 身体-空間の再利用-梅崎春生「蜆」(1947年)
1 「幸福の総量は極限」されたエコノミー
2 与える側の配慮
3 「男」の語りの矛盾
4 「道徳的マゾヒズム」の可能性
5 終わりがない交換に向けて
第2章 性の管理と空間表象
-大城立裕「白い季節」(1955-56年)と広池秋子「オンリー達」(1953年)
1 「白い季節」-「風景としてみる」べきもの
2 検閲下で描かれた性の管理
3 医師の心象地理
4 「オンリー達」-「貸間」になる女たち
5 「女の値」と連動する貸間空間
6 変形する貸間空間
第3章 〈法〉の手前の監禁空間-大江健三郎「人間の羊」(1958年)
1 バス空間の揺れ動く秩序
2 「羊撃ち」と軍事主義
3 交番と〈法〉
4 「教員」の「想像的転倒」と「羊」への羨望
5 占領者という鏡
第4章 占領の裏座敷-大城立裕「カクテル・パーティー」(1967年)
1 分離された空間
2 内部と外部の「裏」
3 刑法的な保護に値しない生
4 ホームの境界を脅かす女性
5 「私」に還流する法の倒錯性
第5章 家出を夢みる女たち-新垣美登子「黄色い百合」(1954-55年)
1 旧民法下の戦後沖縄文学
2 民法改正運動と新聞小説「黄色い百合」
3 妻/妾/女中に分断された女性たち
4 非規範的な家族
5 返済不能の愛
6 起源の焼却
第6章 ハンセン病者の占領空間-沖縄愛楽園機関誌「愛楽」の作品群
1 「異郷」として生きられた沖縄-源静夫「焼土の女」(1957年)
2 病者の心象地理-南原旅人「黒い流れ」(1959年)・宮良保「浜蟹」(1956年)
第7章 「別空間」への想像力-崎山多美「アコウクロウ幻視行」(2006年)
1 テクストのコード
2 「あのヒト」との境界線
3 「あの」場所の書き換え
4 他者のための空間
終 章 地図を書き換える
初出一覧
あとがき
