『共同幻想論』に挑む 家族人類学的考察
[2026年3月/A5/640頁/]
著=鹿島茂
発行=筑摩書房
目次:
I 『共同幻想論』はなぜ書かれたか
1 『共同幻想論』の「わからなさ」-「出所不明の異形の意志」
2 日本的「転向」は「家」の問題
3 高村光太郎と了解可能性/不可能性
4 日本的「家」の問題-情感/権威のマトリックス
5 『マチウ書試論』-「家」の問題と対幻想
6 大衆の原像と国家の共同幻想
7 「面従腹背」知識人と国家の思想
8 天皇のために死ねるか?
9 不問に付された〈天皇(制)〉
10 『古事記』の宣長的解釈から、『共同幻想論』へ
II 『共同幻想論』を遡行的に読む
11 序をどう読むか? 往路の省略
12 『共同幻想論』を最終章「起源論」から読む
13 「罪責論」へ遡行、スサノオの解釈
14 「罪責論」を母系制(サザエさん型家族)から分析する
15 ヤマトタケル挿話の家族人類学的分析
16 「母制論」と二つの対幻想
17 カップルの対幻想と兄弟姉妹の対幻想
18 対幻想と共同幻想の同致の問題
19 遠隔対象性と近親婚の禁止
20 兄弟姉妹の対幻想の空間性の問題-カラアゲ屋「サザエさん」
21 宗教法人「サザエさん」-吉本は間違っていても凄い
III 家族人類学が明らかにしたこと
22 進化主義人類学からアメリカ人類学へ-居住規則の浮上
23 アメリカ人類学の居住規則を再浮上させたエマニュエル・トッドの家族四分類
24 トッド家族人類学の大転換
25 居住規則による分類を世界地図にマッピングすると「周縁の保守性原則」が浮上する
26 父方居住システムの変化
27 父方居住の起源
28 父方居住直系家族の誕生
29 長子相続から直系家族へ
IV 蝶番としての「祭儀論」
30 家族人類学と『共同幻想論』の接続
31 縄文サイクルと弥生サイクルはいかに交錯したか?
32 「祭儀論」を家族人類学的に読む
33 吉本的立場と家族人類学的立場
34 農耕祭儀の家族人類学的再検討
35 世襲大嘗祭の家族人類学的分析
36 「他界論」の死の問題と時間性/空間性
37 「他界」を空間性と時間性に分割する
V 「巫覡論」「巫女論」「憑人論」「禁制論」が持つ意味
38 「巫覡論」で「当て馬」として使われた芥川の『歯車』
39 『共同幻想論』前半のハイライト「いづな使い」
40 「巫女論」(1)巫女とは共同幻想を性的対象とする女性である
41 「巫女論」(2)シャーマンとは自己幻想を共同幻想に同致できる特殊能力者だ
42 「憑人論」(1)自己幻想と共同幻想が逆立しない遠野村という位相
43 「憑人論」(2)「遠野物語」の民譚には対幻想という媒介項がない
44 「禁制論」(1)フロイト批判から禁制という共同幻想へ
45 「禁制論」(2)「遠野物語」の山人譚と既視体験の比較分析
46 「禁制論」(3)山人譚の恐怖の共同性の分析
VI 『共同幻想論』を順行で読みなおす
47 順行読み(1)「禁制論」
48 順行読み(2)「憑人論」
49 順行読み(3)「巫覡論」と「巫女論」
50 順行読み(4)「他界論」
51 順行読み(5)「祭儀論」(1)
52 順行読み(6)「祭儀論」(2)
53 順行読み(7)「母制論」(1)
54 順行読み(8)「母制論」(2)
55 順行読み(9)「対幻想論」(1)
56 順行読み(10)「対幻想論」(2)
57 順行読み(11)「対幻想論」(3)+「罪責論(1)
58 順行読み(12)「罪責論」(2)
59 順行読み(13)「規範論」(1)
60 順行読み(14)「規範論」(2)
61 順行読み(15)「起源論」(1)
62 順行読み(16)「起源論」(2)
63 順行読み(17)「起源論」(3)
VII 『共同幻想論』から見えてくる吉本隆明
64 番外的考察(1)
65 番外的考察(2)
66 総括(1)
67 総括(2)
68 総括(3)
あとがき
人名索引
