不安の時代に、ケアを叫ぶ ポスト・コロナ時代の医療と介護にむけて
[2022年2月/四六判/276頁/]
著=川口有美子/新城拓也 発行=青土社
目次:
はじめに
第1回 揺れる倫理観の波
コロナ時代の倫理観の変化
「もし〇〇になったら、どうするか?」
内向きの病院とケアの質の低下
安楽死と緩和ケアはどう違うのか
顔の見えない医療従事者たちと「チーム医療」の現在
緩和ケア医になること、ケアラーを育てること
ケアの質を保障する監査のあり方
記録=カルテをどう残すか
日常のなかで死ぬこと、看取ること
痛みをとるとはどういうことか
薬とどうつきあうのか
コロナ時代の「知」
意思決定をめぐる概念とその危うさ
「生き方」を支えるための意思決定
オンライン/遠隔の医療・介護をめぐって
迷いながら、考えながら、支援する
第2回 壊れていくケアの波
コロナ時代の入院と在宅医療をめぐるジレンマ
QOD(死の質)と看取りの現在
看取りのディテールと家族のケア
ルールよりも現場の直感で判断する
入院時のケアの質を考える
引導の渡し方/渡され方
終末期医療と死のリアル
ワクチン接種以前に考えたこと
諦めないこと、努力し続けていること
コロナ時代の医療とその後への期待
第3回 現実のパンデミックの大波
変異株とクラスター発生時代に突入して
コロナ臨床の実態と孤立無援の救援部隊
非常時の医療とQOL(生の質)という考え方の変化
どう頼るのか、誰に頼るのか
現場から制度を変えるとき
隔離されるひとびとへのケア
病気の経験を積み重ねること
第4回 恐怖と混乱の波
コロナ臨床の前線からみえるもの
日常とともにある感染爆発
ワクチンを打つことをめぐる緩和ケア
地域医療を訪問につなげる
できることをする医療
医療の正しさと責任とはなにか
コロナ禍で倫理が反転するとき
運、愛、善とケア
コロナの「出口」とワクチンへの態度
緩和ケアを奪還する
コロナ時代に得たもの/失ったもの
患者・家族同士の出会いと交流
ケアのつながりをつくる
第5回 冷静な反逆の波。そして、ケアを叫ぶ
感染の収束による変化
継続する「最低限のケア」
ポスト・コロナの社会復帰を考える
病院と診療所の関係づくりのために
介護・介助から学ぶ医療
誰のためのQOL(生の質)とQOD(死の質)か
「いい死に方」は教えられない
倫理よりも患者の哲学を
なぜ安楽死が望まれてしまうのか
関係性をつくる緩和ケア
ポスト・コロナの社会と医療・介護にむけて
あとがき