琉球・沖縄寄留民の歴史人類学 移住者たちの生活戦術
[2022年2月/菊変型判/440頁/]
著=玉城 毅 発行=共和国
目次:
序章 なぜ寄留民を研究するのか
1. 研究の目的と背景
2. ポリティカル・エコノミー研究と親族研究
3. 本書の構成
第I部 居住人を生み出した琉球王国-近世
第1章 上層士への道
1. 地頭の種類と人数
2. 不安定な地頭
3. 地頭になった経緯
4. 上層士の〈父系出自〉と〈家〉
第2章 中・下層士の経済基盤
1. 給与と役職の体系
2. 役職の安定度
3. 旅役と心附役における役得
4. 士の流動性
第3章 王府組織を生きた兄弟たち
1. 麻氏十一世の兄弟
2. 臨時役時代と兄たちの支え
3. 晩年の出世と戦略
4. 中・下層士の戦術と兄弟
第II部 制度改変のインパクト-近代移行期
第4章 王府解体と屋取の形成
1. 近代沖縄の士族
2. 明治政府による秩禄処分
3. 無禄士族の行方と屋取形成
4. 制度の外の屋取形成
第5章 土地制度と屋取
1. 地割制下の居住人
2. 私有地を獲得した居住人
3. 土地制度の改変と寄留民
4. 制度的拘束と屋取
第III部 〈きょうだい〉の民族誌-近現代
第6章 士族系寄留民の生活戦術
1. 問題の所在と対象
2. 〈きょうだい〉を結びつける文化的規範
3. 屋取の経済的展開
4. 個人の努力と〈きょうだい〉
5. 近代的状況における〈きょうだい〉
第7章 百姓系寄留民と屋取
1. 屋取の景観
2. 屋取の空間的展開
3. 〈きょうだい〉を基点とする地域集団
4. 士族・百姓屋取と〈きょうだい〉
第8章 糸満漁民の開拓戦術
1. 移住者の流動的状況からの秩序形成
2. 移住と村落形成の歴史
3. 二十世紀前半の「門」における〈きょうだい〉世帯
4. 開拓推進の核としての〈きょうだい〉
5. 門中の論理と〈きょうだい〉の論理
6. 実践の結果としての秩序
終章 体制的秩序からはみ出すこと、二者が対等につながること
1. 階層文化としての親族
2. 〈門中のイディオム〉と〈きょうだいのイディオム〉
3. 寄留民の歴史人類学
補論 東アジア親族研究史-〈父系出自〉〈家〉〈きょうだい〉で捉える親族
1. 東アジア親族研究と国家
2. 戦略としての親族-〈父系出自〉〈ネットワーク〉〈家〉
3. 戦術としての〈きょうだい〉
4. 寄留民の戦術としての〈きょうだい〉
あとがき