凜として灯る

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[2022年6月/四六判/240頁/]
著=荒井裕樹
発行=現代書館


1974年4月20日、東京国立博物館で開催された「モナ・リザ展」一般公開初日。人類の至宝と称される絵画「モナ・リザ」(レオナルド・ダ・ヴィンチ作)に、一人の女性が赤いスプレー塗料を噴射した。女性の名前は米津知子。当時25歳。「女性解放」を掲げたウーマン・リブの運動家だった。取り調べのために連行される警察車両の中で、彼女はクスクス笑いが込み上げていた。極度の緊張と、やっと落とし前をつけられたうれしさの中で。女として、障害者として、差別の被害と加害の狭間を彷徨いながら、その苦しみを「わたしごと」として生きるひとりの、輝きの足跡。

目次:
第1章 温情と締め出し – 『モナ・リザ展』と障害者
第2章 道徳律の思春期 – 補填具とストッキング
第3章 バリケードの青春 – 大学闘争と美共闘
第4章 女たちの叛乱 – ウーマン・リブの誕生
第5章 草原の裸体 – リブ合宿開催
第6章 拠点の旗揚げ – リブ新宿センター開設
第7章 産むか産まぬかは女が決める – 優生保護法改悪阻止闘争
第8章 女への不信 – 怒れる障害者たち
第9章 惨めなわたし – 車椅子と歩道橋
第10章 わたしに罪はない – 裁判闘争

エピローグ
謝辞 – 「あとがき」にかえて

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