メンタルクリニックの社会学 雑居する精神医療とこころを診てもらう人々
[2022年6月/四六判/336頁/]
著=櫛原克哉
発行=青土社
目次:
序 章 メンタルクリニックの社会学
1 メンタルクリニックの増殖
2 メンタルヘルスをめぐる問題と社会学
3 本書の構成
第1章 メンタルクリニックの誕生
1 「メンタルクリニック」とは何か
2 メンタルクリニックの原点
3 「神経科」の増加と神経症の時代
4 広がるメンタルクリニック
5 メンタルクリニックと現代
第2章 不安定な医療化 – 何を医療とみなすのか
1 反精神医学の系譜
2 精神科診療所と治療対象の拡大 – イギリスとアメリカの事例
3 「パーソナリティ」から「精神疾患」への転換 – DSM革命と脳神経化学の興隆
4 「抗うつ薬の時代」 – 精神科薬物療法
5 認知行動療法の台頭 – 精神療法
6 さまざまな「自己のテクノロジー」 – 百花繚乱、百家争鳴のなかで
7 不安定な医療化
第3章 トラブルの「実在」をめぐる問い
1 診てもらうべきトラブルをめぐる問い – 対人間のトラブルのミクロポリティクス
2 身体トラブルの経験
3 精神的なトラブルの発生源の有無
4 「精神科に行くの……?」
5 自己診断と認知をめぐる問題
6 性格や人格の掘り下げ – 過去の探究
7 医療従事者はどう診るか – トラブルの受け止めと対応
第4章 治療する自己 – 薬・脳・こころをめぐる語り
1 精神科薬物療法 – 何を治そうとするのか
2 薬効をめぐる語り – 効く薬と効かない薬をめぐる問い
3 脳神経化学的な〈知識〉の習得と〈実感〉の不在
4 薬理作用と依存
5 「カウンセリング」にふれること
6 認知行動療法をめぐる語り
7 追い求められた「根本」
第5章 「治る」と「治らない」のはざま
1 医療者との関係のなかで
2 どこまで治せるか
3 診断の探求 – 「病い」から「疾患」へ
4 どこかで立ち止まること – 「発達障害」という言葉
終 章 メンタルクリニックの「出口」
あとがき
付録