貧困理論入門 連帯による自由の平等
[2022年5月/四六判/224頁/]
著=志賀 信夫 発行=堀之内出版
目次:
まえがき
[第1章]「貧困」とは何か – 諸概念の整理
貧困理解の前提となることばの整理
貧困概念とは「貧困の意味内容」のこと
貧困の定義とは「貧困と非貧困の区別・境界」を言語化したもの
貧困の測定とは「貧困の広がりと深刻さの計量」
「格差」「不平等」「貧困」の概念的区別
階層論と階級論
貧困概念は人びとの要求によって拡大してきた
貧困理論の学説史に関する概要説明
[第2章]絶対的貧困理論
ブースの貧困調査と貧困の捉え方
ブースの調査研究にひそむ「分断と統治の論理」
ラウントリーの貧困研究と貧困調査
「絶対的貧困」の概念
ブースとラウントリーの相違点の整理
「絶対的貧困」から考える現代日本の生活保護
[第3章]相対的貧困理論
相対的貧困理論の考え方
相対的剥奪概念から定義づけられる貧困
ベヴァリッジ体制の成熟とタウンゼントの貧困理論
タウンゼントの貧困理論
「普通の生活」と「社会参加」
タウンゼントの貧困理論と現在
「相対的剥奪」と「相対的貧困」に関する補足説明
[第4章]社会的排除理論
社会的排除とは
EUの社会政策と「社会的排除/社会的包摂」
「社会的排除」概念が一般化した社会背景
「自由」と「自己決定型社会参加」
「自己決定」を可能にする「自由」
「自由」の実質的広がりを規定する三つの要素
自由獲得の歴史
自由拡大の担い手
「権利の擁護」と「権利の保障」
[第5章]「自由の欠如」と現代日本の貧困問題
本章の目的
自由の平等と幸福
貧困と差別、および貧困者への差別
権利の有用性および有効性と自己決定の限界性に関する検討
「子どもの貧困」問題
「経済的投資アプローチ」と「Well-beingアプローチ」
普遍主義と脱商品化
社会的包摂と社会参加
[第6章]階層論的貧困理論と階級論的貧困理論
「あってはならない生活状態」再考
階級論的(資本‐賃労働関係)視点の必要性
失業者対策と相対的過剰人口対策
日本の労働者階級と階級意識の喪失という問題
無所有に対する抵抗
あとがき