哲学的洞察

141706

[2022年9月/四六判/198頁/]
著=永井均
発行=青土社


SNSの街角に立つ、ネゲントロピーの哲学者永井均。

2014年から2021年のツイートから哲学を主題とするものを厳選。


目次:

巻頭インタビュー 永井均にとっての哲学

I 哲学とは何か

純哲学と大衆哲学/解釈の独自性/顕教と密教/知らないこと自慢としての哲学/
秘密と言葉/カントの弁証法/哲学とは何か/過去の予期、未来の想起を妨げるもの/
他人の哲学/つまらない真理/他人の哲学は的を外している/すでにある問題/
心・物/アカデミックパラダイム/プラトンに始まる哲学の欠陥/馬鹿の相対主義/
哲学の業界的本質/タテ問題に誤読する/哲学そのものが好き/
歴史的に位置付けて正当化する/待機説法/弁証論と対話の不成立/知の資本家/
作家と文学研究者/いたち/批判と称賛/事実の問題と意味の問題を峻別する思考法/
記憶とはなにか(1)/懐疑論と独在論/真理には残酷な面がある/査読に通るような論文/
『世界の独在論的存在構造』/意外なこと/トレーニングしちゃだめ/近代があったか/


II 哲学的洞察

チェスの冠/両想い・両憎しみ/「自−他」と「実−虚」/時計/この手、この口/
第0次内包と無内包/重要なこと/時間と時計/A系列/無今論/
人によって世界の色が違う/独今論が語りえない理由/その時点における今/
『ウィトゲンシュタインの誤診』/時間は合成的/独在性の内部矛盾/
ゾンビでないのになぜ他人? /『改訂版 なぜ意識は実在しないのか』(1) /
悪霊/『改訂版 なぜ意識は実在しないのか』(2) /山括弧の由来/空間に関するAとB /
『時間の非実在性』/外側から捉えうる何かの内側ではないような内側/ライプニッツの神/
認識論/任意か所与か/私的言語/宇多田ヒカル/私の数(1) /胸と背中/
デイヴィッド・ルイスの素晴らしさ/私の数(2) /切れを二重に入れている/
すべての語は固有名/地球以外の人たち/第一基準による識別を超えるもの/
大澤真幸氏との対談/まるで違う解釈/中心性と現実性/「本質・対・実存」の隠蔽/
またこの人/「今」に内在する矛盾/世界が青くなる/「ヨコ問題というものがわからない」症状/
『世界の独在論的存在構造』出版/「唯物論的独我論」という煩悩/世界像選択の問題/
色めき立ってしまう/一方向性は実在しない/独在性の二つの意味/永遠の無/驚き/
〈私〉と実在論・反実在論/唯物論的独我論(1) /超越論的観念論vs.独在論/この4月28日/
『純粋理性批判』の誤訳/タテ問題/同一性の気づき/唯物論的独我論(2) /完全犯罪/
無駄な存在/自然主義と〈私〉/『世界の独在論的存在構造』コメンタリー/東洋の専制君主/
私の使う「私」/自分と他人の違い/「おいては」抜きに/顔のない人/
マクタガートとダメット/木村敏/私は主人公、私はスクリーン/唯物論的独我論(3)/
なぜ私は他の誰でもなく…… /『青色本』の後半/むきだししかなさ・とってはしかなさ/
今欺く神/赤穂浪士/百年前の世界/


III 哲学的所見

浸透しない意識・等質的時間/基準/触覚語・視覚語/心理的利己主義/他人は口なり/
デカルト/不一致対称物/普遍とこの私/たまたまの超越論性/外的自由・内的自由/
全体論と市場経済/文法は現象するか/偶然/概念化/「み」と「さ」/超越論哲学の意義/
現在主義/夢の中との連続性/数学と存在論的証明/欲求充足と志向性/松本智津夫の自由意志/
裏表概念の獲得/冷徹な世界認識/超越論的自然主義/私的言語とは何か? /
意志は意志できない/反出生主義/把持・予持/何々感を感じる/意味に支えられて/
記憶とはなにか(2) /急に興味をなくしてしまう/真理の区別/ヨコ問題としてのクオリア/
道徳の根拠/道徳の大きさ/この世で生きるための前提知識/正義を不正義であるがゆえに/


IV 哲学の周辺

田島正樹・戸田山和久/ボルケナウ・丸山眞男/『東大助手物語』/編集者/若松英輔『魂にふれる』/
レーニンの哲学ノート/掘り下げた思考/『あるようにあり、なるようになる』/哲学ネイティヴ/
哲学者の成功/『秘密の日記』/『ニーチェを知る事典』/『死と生きる』/『哲学の木』/メイヤスー/
出版社が決めること/意味の論理学/高橋久一郎先生の最終講義/田島正樹の最高傑作/
一般読者が哲学書に親しむ/シュティルナー/大庭健/『疾風怒濤精神分析入門』/野矢茂樹先生の書評/
プラトンと資本主義/黒田入門、永井入門/飯田と丹治/池田晶子と石黒ひで/編集者富岡勝/
ドイツ語で完璧に書けたら/本当はたいしたことないシリーズ/主体性論争/坂本百大/

在庫状態 : 在庫有り
¥1,980(税込)
数量