神智学とアジア 西からきた〈東洋〉

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[2022年9月/A5/260頁/]
編/著=吉永 進一/岡本 佳子/莊千慧
発行=青弓社


目次:
まえがき | 吉永進一

第1部 勃興
第1章 神智学略史 – 人と思想と組織 | 吉永進一
1 H・P・ブラヴァツキーの生涯
2 ブラヴァツキーの思想と新しい秘教思想

第2章 二つの神智学協会 – 寿命を延ばすこと、条件つきの不死、個体化された不死のモナド | ジョン・パトリック・デヴニー[田中千惠子訳]

第3章 弟子(ルビ:チェラ)の肉体 – 十九世紀末アイルランドの神智学運動をめぐって | 赤井敏夫
1 ダブリン・ロッジの成立とチャールズ・ジョンストンの軌跡
2 D・N・ダンロップと二人の導師(ルビ:グル)
3 弟子(ルビ:チェラ)の条件
4 帝国突端のハブとしてのダブリン、そしてささやかな挿話

コラム バルト海からの仏教徒 – カール・トゥニッソンと神智学(1911-16年) | 井上岳彦

第2部 接触
第4章 南アジアのスピリチュアルなナショナリズム | 杉本良男
1 発見された神秘思想
2 国民会議派
3 タミル・ナショナリズム
4 スリランカ仏教と神智学協会
5 アナガーリカ・ダルマパーラの仏教ナショナリズム

第5章 近代中国の神智学運動 | 莊千慧
1 神智学と近代中国の仏教復興運動との関わり
2 中国の神智学支部と伍廷芳
3 神智学協会の中国での活動

第6章 ウィリアム・スタージス・ビゲロウと神智学 – 近代オカルティズムが生んだアメリカ人仏教徒 | 岡本佳子
1 神智学と明治日本の欧米人仏教徒あるいは仏教の共鳴者たち
2 ビゲロウに見るオカルティズムと仏教
3 宗教経験の希求 – 日米間を往復するアメリカ人仏教徒として
4 万教帰一的宗教観への疑問

第7章 アメリカで秘教思想に出会った日本人たち | 堀 まどか
1 カリフォルニアの初期の神秘主義者たち
2 アメリカにおけるヨーガ
3 ミラーと野口米次郎の協同生活
4 ハリス教団の新井奥邃と長澤鼎
5 木村秀雄の霊的活動とアメリカ

コラム 宗教会議の時代 | 岡本佳子

第3部 波及
第8章 田岡嶺雲と神秘思想 | 穂波慶一
1 明治中期の社会的状況
2 田岡嶺雲の「神秘哲学」 – 1890年代を中心に
3 「学知」から「霊知」へ – インド哲学研究のゆくえ

第9章 九鬼周造と輪廻転生 – 両大戦間の知的環境における「時間論」の位置 | 稲賀繁美
1 岡倉覚三から九鬼周造へ
2 “Unité extatique”
3 業(カルマ)と涅槃(ニルヴァーナ)
4 シジフォスの神話の再解釈
5 岡倉覚三の道教再解釈
6 九鬼周造を囲繞するインドラ網
7 三島由紀夫あるいは「先回りした剽窃」
8 伊勢神宮の押韻 – おわりに

年表 近代神智学運動とその時代(1875―1945年) | 莊千慧

あとがき | 岡本佳子

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