「人間ではないもの」とは誰か 戦争とモダニズムの詩学

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[2022年12月/四六H/450頁/]
著=鳥居万由実
発行=青土社


目次:
序章
1 人間の「主体」とイデオロギーの関係
2 本書の構成
3 モダニズムとは何か

第一部 モダニズム詩における「人間ではないもの」の表象
第一章 ジェンダー規範と昆虫 – 左川ちか
はじめに
1 「何者でもないわたし」
2 永遠なる他者「詩のミューズ」
3 「詩のミューズ」の殺害
4 人間ではないものに内面を託すこと

第二章 人間主体を抹消する機械 – 上田敏雄
はじめに
1 人間を詩から抹消する
2 分裂する自我
3 大衆消費社会と自己意識
4 『仮説の運動』
5 「燃焼する水族館」

第三章 主体の解体と創造 – 萩原恭次郎
はじめに
1 農村に安らう身体
2 都市環境における身体の変化
3 規律を離れた無用の身体
4 新しい主体への創造と破壊
5 結び直される主体

第二部 戦争詩における「人間ではないもの」の表象
第一章 戦時下の理想的な人間主体
はじめに
1 空間軸に位置付けられる主体
2 時間軸に位置付けられる主体
3 個人の集合体への溶融
4 そして沈黙が支配する

第二章 自己と他者が出会う場所 – 高村光太郎
はじめに
1 清らか・純潔であろうとする傾向
2 「純粋な」動物に託される自己
3 動物園における「見る/見られる」
4 戦争詩における動物性の反転

第三章 戦争の中の機械と神 – 大江満雄
はじめに
1 プロレタリア詩人時代
2 転向後の変化

第四章 「人間ではないもの」として生きる – 金子光晴
はじめに
1 抵抗詩以前の動物
2 戦時下における権力構造と動物
3 自画像としての「人間ではないもの」
終章
1 動物と機械表象が登場する詩
2 現代とこれからの展望

あとがき

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