真理の語り手 アーレントとウクライナ戦争
[2022年11月/四六H/254頁/]
著=重田 園江
発行=白水社
目次:
序章
1 アーレントの時代、ふたたび
2 民主主義 対 権威主義
I アーレントと真理の在りか
第1章 政治が嘘をつくとき
1 陰謀論とでたらめと暴力と
2 ペンタゴン・ペーパーズとロシアのプロパガンダ
3 政治の嘘と人命の軽視
第2章 ハンナ・アーレント – 真理と政治
1 嘘と強弁と陰謀論の宝庫
2 ヒューム的な「人間の条件」
3 真理と世界の存続
4 「事実の真理」の居場所はどこか
5 嘘が真理を凌駕するとき
6 証拠と証言の近代史における「事実」
7 心霊術における証拠
8 歴史の一回性と真理
9 証言者たちは独りである
II 映画と政治とナショナリズム – 知られざるロシア=ウクライナ史
第3章 バビ・ヤール:コンテクスト – セルゲイ・ロズニツァ、映画と政治I
1 政治的映画作家、ロズニツァ
2 アイヒマン裁判と「バビ・ヤール:コンテクスト」
3 バビ・ヤール・ホロコースト・メモリアル・センター
4 ナショナリストを怒らせたもの
5 バビ・ヤールの大虐殺
6 ウクライナ民族主義と「ポグロム」
7 東欧のユダヤ人虐殺と戦後
8 スターリンの反ユダヤ主義政策とバビ・ヤール追悼
第4章 秘密警察への返答 – セルゲイ・ロズニツァ、映画と政治II
1 秘密警察とハイブリッド戦争
2 ナチス、ソ連と東欧諸国
3 謝らない国、ロシア
4 ロズニツァ映画にみる「政治における嘘」
5 暴力について
6 眠るロシア、目覚めるウクライナ
7 ロシアの目覚めはどこへ
第5章 芸術とナショナリズム – ウクライナ映画人の選択
1 戦争が起きる。そして…
2 セルゲイ・ロズニツァのナショナリズム批判
3 アレクサンドル・ロドニャンスキー と「ロシア映画」というカテゴリー
4 デニス・イワノフとウクライナ映画の苦境
5 オレグ ・センツォフと戦闘への「コミットメント」
6 さまざまな出自と背景
7 戦争は、人間の顔をしていない
終章 善と想像力について
付 イェゴール・フィルソフ「ウクライナにて。戦争、死、そして生。」
あとがき
ウクライナ基本情報