ユリイカ2023年1月臨時増刊号 ジャン=リュック・ゴダール
[2022年12月/菊大判/480頁/]
発行=青土社
目次:
総特集 ジャン=リュック・ゴダール – 1930−2022
●さまざまなるもの – 口絵
展覧会《感情、表徴、情念 – ゴダールの『イメージの本』について》 | 写真・コラージュ=ファブリス・アラーニョ
●アデュー…
ジャン=リュックとの二〇年 | ファブリス・アラーニョ 訳=槻舘南菜子・堀 潤之
それは彼だったからだし、わたしだったから | エリアス・サンバール 訳=堀 潤之
●邂逅と別れ
レマン湖の畔にて – ゴダールにとっての – あるいはストローブにとっての – スイスについて | 蓮實重彦
ゴダールもまた死す – 息切れの友情の果てに | 山田宏一
飛行機としてのジャン=リュック・ゴダール | ジョナサン・ローゼンバウム 訳=堀 潤之
ゴダール、これを最後に | フィリップ・アズーリ 訳=中村真人
●歌として
ジャン=リュック・ゴダールに捧げる頌(オード) | 四方田犬彦
●批評による追想
ゴダールについて | フレドリック・ジェイムソン 訳=山本直樹
ゴダール 回顧的断章 | 中条省平
ゴダールについて、私はまだ何も知らない – 引用と回想によるモノローグ | 佐々木 敦
ゴダールを巡る余白の余白の余白…… | 丹生谷貴志
追悼という名のスタートライン | 赤坂太輔
ゴダールとスイスと私と | 土田 環
●「考古学者」たち – インタビュー
ジャン=リュック・ゴダールを巡って | ニコル・ブルネーズ 訳=槻舘南菜子・堀 潤之
●来たるべき書物
空間、イメージ、書物 – ゴダールの展覧会《感情、表徴、情念》の余白に | 堀 潤之
ゴダールによる引用は本当にどのようにあるのか – 『イメージの本』の最後の引用を中心に | 持田 睦
ゴダールにおけるいくつかのベンヤミン的モティーフについて | 竹峰義和
こだまをめぐる覚書 – ゴダール『言葉の力』の傍らに | 森元庸介
イマージュの海、第二の死 | 髙山花子
作家になりそこねた男 | 柴田秀樹
●詩において
偉大なるアーキヴィストの死 | 松本圭二
●触る、切る、繋ぐ
手で見る世界 – ゴダールのモンタージュと「リアリズム」 | 伊津野知多
ゴダールにおける手の表象と「死後の生」 – 出来事とマシンの結び目をめぐって | 髙村峰生
明暗の継起、あるいは映画の輪郭について | 常石史子
光と「ウィ」 – ゴダールの「エリック・ロメールへのオマージュ」に導かれて | 小河原あや
空隙を撃つ – ゴダールのNo Thingと手のないアーキビスト | 難波阿丹
Instant Godard – ゴダールのインスタライブをめぐって | 石橋今日美
●見出された時
JLG ET MOI | 黒田硫黄
●シネマをめぐって
ゴダール以後、映画以後について | 七里 圭
ゴダールと切断 – 生の似姿として | 中村佑子
ゴダールは決して笑わない | 清原 惟
●存在のためのレッスン
人間の探究と発見 – ゴダールと俳優演出をめぐる覚書 | 角井 誠
中庸の人間、ゴダール – ジャン=リュック・ゴダールの「ドラマ上の理由」による編集について | 數藤友亮
チャップリンとゴダール – シネマ・ヴェリテの創出 | 大野裕之
悲しみのミリアム・ルーセル – ゴダールの女優史 | 田村千穂
像(イメージ)を産む処女 – 『こんにちは、マリア(Je vous salue, Marie)』に寄せて | 柳澤田実
ゴダールによるシナリオのためのささやかな覚書 | 原田麻衣
●それぞれのこと
長いお別れ——ゴダールをめぐる私的な回想 | 斉藤綾子
ゴダールの死を受けてのフランス | 魚住桜子
『イメージの本』が手渡してくれたもの | 尾崎まゆみ
●理論という反語
二重性の徴(しるし)のもとに – ゴダールと映画理論 | 武田 潔
ゴダールの才能とは何か | 伊藤洋司
ゴダールとエイゼンシュテイン – 「つなぎ間違い」から「重なり合い」へ | 畠山宗明
映画、批評、世界 – 三位一体の伝統 | 久保宏樹
映画は成就できない – 物語とジャン=リュック・ゴダール論 | 鈴木一誌
●記憶とともに
ドキュメンタリーの詩人、ゴダール – アンヌ・ヴィアゼムスキー、京都で学生と語る | アンヌ・ヴィアゼムスキー 聞き手・訳・構成=大野裕之
●SON-IMAGEふたたび
ここで、よそで、いたるところで – Joindre Longtemps ses Grimaces | 小沼純一
ゴダールの音を遡る | 細馬宏通
ゴダール映画のサウンドトラック – ジョン・ゾーンの初期作品をネガとして | 長門洋平
カメラ+レンズの音楽 | 荒川 徹
ないがしろにされた演奏 – ジャン=リュック・ゴダールの「メタフィルム・ミュージック」をめぐって | 新田孝行
男性・女性、音楽・声 – 『アルミード』における音と映像 | 行田洋斗
●闘争=逃走線に向かって
黒 | 佐藤雄一
「死んでもいい」 | 山崎春美
開いている店は開いている | 渥美喜子
●政治 | 場所 | 歴史
映画の真の敵は連邦準備制度である | 廣瀬 純
ゴダール | 革命の中絶 | 石川義正
二つの戦線で闘う – 「政治的」なゴダールをめぐって | 長濱一眞
ドイツから見るゴダール – ブレヒト、ニュージャーマンシネマ、『ドイツ90年(新ドイツ零年)』 | 渋谷哲也
真理の二つの顔、あるいは敗者たちの詩人 | 鵜飼 哲
ゴダール・ポストコロニアル – イメージ、音、そして声 | 須納瀬 淳
●ダンスのように
子供は遊ぶ、ゴダールも遊ぶ、みんな遊ぶ | 森泉岳土
●あるいは革命について
労働としての映画 – 『勝手に逃げろ | 人生』におけるゴダールの転回をめぐって | 長谷正人
六八年のゴダールとマルケル | 吉田孝行
崇高な夢 – ゴダールについて | 上尾真道
after the requiem – ジャン リュック・ゴダールの脱構成 | 森 元斎
黒板としてのスクリーン – ジガ・ヴェルトフ集団のオンデマンド授業動画映画 | 佐々木友輔
●映画へ
ゴダール作品リスト | 堀 潤之