戦争孤児」を生きる ライフストーリー/沈黙/語りの歴史社会学

141118

[2021年11月/四六判/248頁/]
著=土屋 敦 発行=青弓社


目次:
はじめに

第1章 問題の所在
1 本書の視座
2 「戦争孤児」たちがたどった道程
3 研究視座――ライフストーリー研究と「語りの産出/不在」を分析すること
4 理論枠組み
5 調査対象
6 本書の構成

第2章 「戦災孤児」のメディア表象――敗戦後日本の自画像としての
1 「戦災孤児」、浮浪児の飢餓と貧困
2 「親がない子ども」をめぐる新聞記事件数の推移
3 「慈しむべき哀れな孤児像」
4 「不良化し犯罪化する危険な浮浪児像」
5 「平和への祈願としての原爆孤児像」の形成
6 「戦災孤児」たちの「親探し運動」と「親子再会の物語」

第3章 語りの制約――沈黙の背後にあるもの
1 調査対象者の生活史と出身階層
2 なぜ自分の「戦災孤児」経験を語れない/語れなかったのか
3 「戦災孤児」だったことの沈黙
4 語り始める契機

第4章 社会的信用の失墜と孤児たちの経験――浮浪生活、施設生活、親戚宅での生活をどのように語るのか
1 「戦災孤児」というカテゴリーを付与されること
2 疎開経験、空襲経験、親の死を知る
3 浮浪生活(に至った経緯)/施設経験をどのように語るのか
4 里親宅/親戚宅での生活をどのように語るか――いちばんつらい時期として
5 自殺を考える
6 他家での家族関係で先鋭化するスティグマ

第5章 「戦災孤児」を生きること――学校生活、就職、そしてその後の人生
1 就学/進学
2 就職
3 体の不調
4 「家族」をつくること、「子ども」をもうけることへの願いと拒否感
5 その後の人生

第6章 「戦災孤児」から「戦争孤児」へ――カミングアウトと裁判
1 アイデンティティの承認をめぐる闘争
2 語りだすきっかけ
3 「戦災孤児」から「戦争孤児」へ
4 信念
5 ライフストーリー産出をめぐる政治と闘争

終 章 沈黙と語りの歴史社会学
1 社会的カテゴリーとしての「戦災孤児」「戦争孤児」
2 承認をめぐる闘争とループ効果
3 戦争社会学との接点
4 「語りの不在」自体を問題にする視座
5 戦争の記録、記憶、語りの継承
6 東日本大震災の経験、子どもたちの脱スティグマ化のために

参考文献

あとがき

在庫状態 : 在庫有り
¥2,640(税込)
数量