6歳と3歳のおまけシール騒動 贈与と交換の子ども経済学

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[2023年3月/四六判/304頁/]
著=麻生武 発行=新曜社

目次:
はじめに

序 章 ビックリマンシールに先立つ子ども文化
1 子ども文化としてのメンコ
(1)メンコの“起こし”勝負の歴史
(2)戦前の子どもたちのメンコ遊び
(3)戦前から戦後への子どもの遊びの変化
(4)戦前から戦後へ「メンコ」遊びに共通する特徴

2 高度資本主義社会の「子ども文化
(1)仮面ライダースナックの登場
(2)ビックリマンチョコの登場

■第一部 ビックリマンシールへの欲望に火がつき燃え上がる
第一章 欲望がくすぶり始め火がつく
[1987年7月・8月・9月]
1 お菓子のおまけのシールを集める
(1)お小遣いをもたず駄菓子屋を知らない子どもたち
(2)Uが「ドキドキ学園シール」を集め始める

2 シールの収集と交換が意味すること
(1)二つの所有概念
(2)「素朴な交換」と「私的所有物の物々交換」

3 「シール交換」という交渉術
(1)Fが他者の欲望を欲望せよと教える
(2)3歳児Yにとってのシール交換の意味
(3)シール交換のために他児をだましたり恫喝する

4 ビックリマンシールへの欲望が芽生える
(1)ビックリマンシールを集めているミヤ君からのプレゼント
(2)ビックリマンシールへの欲望の誕生

第二章 欲望の火が燃え広がる
[1987年10月・11月・12月]
1 テレビ放送や小学生などエクソシステムからの誘惑
(1)子どもに作用している四つのシステム

2 ビックリマンシールが生み出す新たな関係世界
(1)年上の子どもたちとの交流
(2)シールを介した仲間との関係(UとYの態度から)
(3)シールをめぐる子どもたちのさまざまな態度

■第二部 ビックリマンシールへの欲望が薄れていく

第三章 ビックリマンシールの流行の飽和
[1988年1月〜1988年3月]
1 年が明けてもブームに陰りの徴候なし

2 ビックリマンシールの流行の飽和
(1)ミヤ君がシールを集めなくなる
(2)ビックリマンシール盗難事件
(3)ビックリマンシールの流行の飽和

第四章 ビックリマンブーム消滅への長い道のり
[1988年4月〜1990年3月]
1 Uの小学1年生前半(1988.4〜1988.8)
(1)一年生になって
(2)新しいタイプの交換の出現
(3)盗難事件とブーム衰退の徴候

2 Uの小学1年生後半(1988.9〜1989.3)
(1)異年齢の子どもたちとの交流
(2)女の子とのシール交換
(3)ブームは去りつつあるが未練も

3 Uの小学2年生(1989.4〜1990.3)
(1)ビックリマンへの関心の残存と消滅
(2)ブームの火消し壺、盗難事件
(3)ブームの完全消滅期

終 章 歴史的状況に埋め込まれた子どもたちの発達
1 子ども文化としてのビックリマンシール
(1)伝承されるものとしての文化
(2)ビックリマン収集遊びはなぜ継承されなかったのか
(3)企業販売戦略の元に徒花として咲いたビックリマン「子ども文化」

2 子どもたちの経済学(贈与と交換)
(1)子どもたちにとっての物々交換
(2)子どもたちにとっての贈与
(3)子どもたちは何を経験し何を学んだのか

3 社会歴史的な文脈における発達
(1)昭和末期のバブル期に育つこと
(2)子どもたちが日々の生活の中で学ぶこと

4 おわりに

あとがき

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