中江兆民と自由民権運動
[2023年4月/四六判/272頁/]
著=長崎浩
発行=月曜社
目次:
はじめに
1 結社の乱-国会創設を目指して
国会開設請願運動/維新第二革命と結社の蜂起/
結社の多様性/結社の乱、そして全国評議会/
秩父事件:反乱の中の党/
2 愛国社-人民の天は人民なり
大衆の党/四方の衆人に告ぐる/
愛国社から国会期成同盟へ/
私立国会とは何なのだ/政府は天に非ず/
コミューン国会論/
3 ドキュメント 国会期成同盟第二回大会
結社の乱の頂点/初日から対立/継承か抹消か/
愛国社の混迷/同盟規約、我らは誰なのか/
精神主義への傾斜/同盟盟約の解消/
主義の党か政治同盟か/振出しに戻って/
自由民権運動の栄光/
4 合法無血のクーデタ
もう一つの結社、交詢社/民情一新す/
人心の狼狽に乗ずる/追い詰められる藩閥政府/
国会勅諭とクーデタ/
5 政論家中江兆民、登場
二つの自由新聞/民権運動に遅刻して/
我自由党諸君に告ぐ/政治文書としての中江兆民/
政治思想としての国会論/議院内閣制、天皇機関説/
政治党派と党派闘争/専制政府に抗して/
道徳の東西/政治倫理の方へ/
6 兆民と一緒に読むルソー(一)-民約共同体
泰西政治の淵源へ/矯激の病なきにしもあらず/
民約訳解の文体/我が歴代の聖主は/
ルソー問題 四つの論点/団結かつ自由な政治体/
自由の譲渡にして獲得/討議も私党も禁止/
民約すでに成る/契約政治体の呼び名/
混迷する訳語/政治体と人民、それぞれの盟約/
7 兆民と一緒に読むルソー(二)-樫の木の下の国家
主権の限界/私人としての臣民/法、政治体の運動と意志/
立法者と市民宗教/政府は主権者の公僕/
人民の集会/樫の木の下の国家/泣きつつ読む盧騒民約論/
8 政論、沖天の勢い-兆民の民権運動
死灰の再燃/三大事件建白運動/大同団結運動/
水と油?:建白と大同団結/徳富蘇峰と兆民/
乱民か勇民か/政党と党派闘争:大同団結運動のなかで/
一大日本党は不可能なのか/
懇親会 歴史の妖魔を背負って/大同団結の帰趨/
国会へ/
9 政論家の頂点-東雲新聞時代
首都へ還る/大同団結運動の第二期/
小倶楽部から始めよ/大阪党の展望/国会独裁論/
国会は政治の一大脳髄/彼の下らない憲法/
捨て鉢の自由党再興/議員誕生/四千万人の砂漠/
10 中江兆民退場-明治憲法体制へ
退場、無血虫の陳列場/国会議員の政党的良心/
憲法点閲の目論見/議会政党への道/
政府これ国、官吏これ民/自由党万歳/
政治文書としての兆民/板垣と大隅、しぶとい二人/
結党の精神という呪縛/
あとがきに代えて