〈消費者〉の誕生 近代日本における消費者主権の系譜と新自由主義

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[2023年5月/四六H/504頁/]
著=林 凌
発行=以文社


目次:
はじめに

序 論
一 問題の所在
二 先行研究の検討
三 本書の意義

第一章 〈消費者〉言説の分析の方法
一 英語圏における消費者主権の系譜
二 近代日本における消費者主権の系譜の同定
三 消費者概念とほかの概念との結びつきを捉えること
四 本書の構成と分析資料体の設定

第二章 近代日本における消費者概念の受容過程-経済学の普及と制度化
一 近世日本における〈消費者〉の不在
二 消費の社会問題化-近代日本における経済学の受容過程
三 自覚した主体としての消費者像の登場
四 人びとが〈消費者〉を語るとき-「自利」と「社会」の協調可能性

第三章 社会改良主体としての〈消費者〉-消費組合運動と婦人運動の勃興と変容
一 日本における消費組合運動の形成過程
二 社会改良の担い手としての〈消費者〉-市民消費組合の存立可能性
三 社会政策学に基づく消費組合運動の定式化-企業に対置される〈消費者〉
四 婦人運動と消費組合運動の接合
五 〈資本家〉でもなく〈労働者〉でもない主体の意義

第四章 庇護対象としての〈消費者〉-商業学者による統制経済論の展開
一 ポスト大恐慌期における商業学と統制経済論の接続
二 国民と〈消費者〉が結びつくとき
三 経済政策提言における〈消費者〉保護的視点の拡大
四 〈消費者〉が国家の庇護対象とみなされるとき

第五章 〈消費者〉としての国民の「自覚」-戦時期日本における消費経済の問題化
一 戦時期日本における消費をめぐる問題
二 戦時期日本における統制経済論と消費組合運動の展開
三 戦時期婦人運動における〈消費者〉の居場所
四 戦時期日本における「消費者志向」の形成過程
五 国家のための〈消費者〉/〈消費者〉のための国家

結 論
一 本書の知見整理とその考察
二 本書の知見を踏まえた先行研究への応答と今後の展望

あとがき

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