国籍と遺書、兄への手紙 ルーツを巡る旅の先に
[2023年5月/四六判/216頁/]
著=安田菜津紀
発行=ヘウレーカ
目次:
プロローグ
第1章 旅のはじまり
「曖昧な喪失」と、カンボジアでの出会い
戸籍で目にした思いがけない文字
「また来るために」の響き
兄への手紙
母国語を話せないなんて「かわいそう」
第2章 「家族とは何か」から「故郷とは何か」へ
瓦礫に覆われた街と「故郷」
シリアは死んでしまった、それでも――
お前は分断を認めるのか
第3章 ルーツをたどって
もう一つの「遺書」、外国人登録原票
ウトロに刻まれた「生きた証」
学校襲撃事件の深い爪痕
「朝鮮人って悪いの?」
はぐらかされた「歴史否定」
追悼と喧騒
「後ろめたさ」の正体
「自分語り」の場
社会保障制度の「外側」で生きた人々
「なんで引き下がらなきゃならないんだ」
第4章 残された手がかりをつなぎ合わせて
神戸、土地の記憶と祖母の足跡
除籍謄本と「死者への手紙」
「たっちゃん」
同級生の輪の中で
兄への手紙、そのまた続き
祖父は拳に何をかけたのか
祖父母の見てきた「原風景」を探して
第5章 ヘイトは止まらない濁流のように
「それ以外の日本人とは別」
初めての法廷に立って
続いた「奇跡」
選挙の名を借りたヘイト
「司法から否定された人々」と判決
第6章 祖父母の「故郷」、韓国へ
名を剥ぎ取られた女性たち
命の源流
「女の顔をしていない」歴史
兄への手紙、またいつか
エピローグ
感謝を込めて