怪談の仕掛け

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[2023年6月/四六判/260頁/] 
著=伊藤 龍平 
発行=青弓社


目次:
序 章 怪談とは何か
1 怪談を語る/怪談を話す
2 話し手と聞き手の共犯関係
3 怪談と怪異
4 話の場の権力と、仕掛けがある話

第1章 子育て幽霊の気持ち-悲話「夜泣きお梅さん」
1 勇払の「夜泣きお梅さん」
2 八王子千人同心の蝦夷開拓
3 郷土史のなかの「夜泣きお梅さん」
4 お梅観音と浄邦盆踊り
[コラム1]わが家の怪談

第2章 お岩さんと愉快な仲間たち-笑い話としての「四谷怪談」と「皿屋敷」
1 陽気なお菊さんの皿数えショー
2 怪談の型と、型が生む笑い話
3 新説・鬼ごっこ
4 ゾンビと遊ぶ、ゾンビを笑う、ゾンビに微笑む
[コラム2]笑い話「牛の首」

第3章 逆立ちする狐狸狢-猥談「下の口の歯」など
1 股のぞき、袖のぞき、逆立ち
2 炭焼き小屋の怪女
3 「きれいはきたない、きたないはきれい」
4 「歯のある膣」について
[コラム3]コテボウズはいるか

第4章 人を溶かす草の話-落語『そば清』
1 医事説話・本草説話から落語へ 
2 昔話「とろかし草」
3 日本のヨナ-「蛇の分食」のわけ
4 禿頭奇談
[コラム4]「リンゴ食べていい?」

第5章 優しい幽霊たちのいる墓場-鄭清文の童話「紅亀粿」
1 肝試しの夜
2 生者に気づく幽霊、気づかない幽霊
3 替屍鬼と童養媳
4 怪異譚か、純愛譚か
[コラム5]思い付き的「羅生門」論

第6章 スマホサイズ化される怪談-ネットロア「きさらぎ駅」
1 十年目の「きさらぎ駅」
2 鉄道怪談の系譜
3 話者たちのいる場所と人称
4 物語化への予感に満ちた言葉
[コラム6]「小さいおじさん」考

第7章 流行神はコロナのなかに-予言譚「アマビエ」
1 瓦版からSNSへ
2 妖怪、幻獣、予言獣、そして……
3 現代の流行神
4 アマビエの説話と俗信
[コラム7]ある「研究者」の会話

第8章 怪異は、解釈されたがる-実話怪談集『新耳袋』
1 実話とは何か、実話怪談とは何か
2 アマチュアリズムと語りの「空白」
3 「語られざる語り」と向かい合う
4 そして、いくつもの物語が生まれる
[コラム8]「かさね」のその後

あとがき

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