弔い・生殖・病いの哲学 小泉義之前期哲学集成

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[2023年5月/四六判/480頁/]
著=小泉義之
発行=月曜社


目次:
はじめに
I 弔いの哲学
まえがき
第一章 葬礼論
死者と死体/埋葬の発生/戦死者の発生/刑罰の発生/
喪の〈仕事〉/野辺送り


第二章 亡霊論
六千の死者/御霊信仰/現代の亡霊/戦犯/敵兵と戦友/
英霊と無名戦士/被害者/犠牲者/犠牲者の〈分〉


第三章 戒律論
モラルの原則/レヴィナス対デリダ/他人の名/殺すことはない/
殺生禁断


第四章 贖罪論
ベンヤミンの暴力批判/神の暴力/自然の掟

第五章 忘却論
生前と生後/忘却の記銘/私は傘を忘れた/死者の名/
死にし子の顔よかりき


あとがき

II 生殖の哲学
はじめに
第一章 未来からの視線-生命・自然
死と死者にとらわれた時代/
未来の予測-地球温暖化・環境化学物質・移入種・バタフライ効果/
未来の兆候-ターミネーター・エイリアン/性と死-生ける屍/
生殖の未来-フランケンシュタイン博士・モロー博士・ダナ・ハラウェイ/
有望な怪物-優生思想批判


第二章  生殖技術を万人のものに-「交雑個体」を歓待する
論外なこと/生殖補助技術/クローン技術/新胚作出技術

第三章 未来と生殖をめぐって

あとがき

III レヴィナス
はじめに-生きていてよいのか

第一章 自分のために生きる
こんなもののために生まれてきたんじゃない/No Music, No Lif/
幸せに生きること/ただ生きること/逃走の欲求、形而上学的欲望


第二章 他者のために生きる
倫理の始まり/他者の顔/他者の最初の語/基盤としての倫理/
弱者の像/言葉の受肉/「私」の受肉/人類のために生きる


第三章 来るべき他者のために
とはいえ、私は死ぬ/存在と無、生成と消滅、生と死/肉体の愛/
他者のための生殖/生命の断絶と連続/生殖の存在論


あとがき

IV 病いの哲学
はじめに

第一章 プラトンと尊厳死-プラトン『パイドン』
プラトンは病気だった/秘儀-人間家畜論/死ぬことの練習/
ソクラテスの魂論の正体/生と死のリサイクル/霊魂と亡霊/
善をなしてくれる他者/実験的牢獄としてのオレゴン州/謎の男トマ


第二章 ハイデガーと末期状能-ハイデガー『存在と時間』
死へ向かう存在/本来性は何ではないか/それは自己決定でもない/
終わりから始まりへの反転/フーコー瞥見/
世代交代-ライフ・サイクルのサイクル/共同体-死より上位の審廷/
人間/動物


第三章 レヴィナスと臓器移植-レヴィナス『存在の彼方へ』
身代わりは自己の内臓のうちで作動する/ドナーとレシピエント/
生まれる前からの使命/呼吸器/秘儀-兄弟関係/生き残りと生き延び/
犠牲・献身/レシピエントの生


中間考察-デリダ

第四章 病人の(ための)祈り-パスカル、マルセル、ジャン=リュック・ナンシー
病いの善用を神に求める祈り/絶望と希望/共同-体

第五章 病人の役割-パーソンズ
排除と包摂のゾーン/コミュニケーション・ギャップ/潜在的逸脱の社会的統制/
病人役割の現在と未来


第六章 病人の科学-フーコー
末期の眼/死を見てしまった眼のまなざし/病人の生/生きとし生けるもの

あとがき

人間の終焉、人類の円環-後書きに代えて
はじめに
1 自然に還れ?
2 動物論的転回(The Animal Turn)
3 構造的他者論の拡大適用
4 デリダ瞥見、ドゥルーズ/ガタリ瞥見
5 ミメーシスとポイエーシス

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