「ものづくり」のジェンダー格差 フェミナイズされた手仕事の言説をめぐって

142336

[2023年5月/四六H/286頁/]
著=山崎 明子
発行=人文書院


目次:
序 言説の旅の始まり
言説が生み出すものづくりの世界
梅棹忠夫かく語りき
ジェンダー化のポリティクス
本書の構成

第一章 万一のために手芸をせよ-近代手芸論
学校で手芸を学ぶべし
皇后だって養蚕をしているのだから……
先ず心の美より養ふべし
母たる方々に手芸は実に必要
手工は家庭をして平和幸福の天地とならしむ
申さば一の慰み稽古の如くなり

第二章 国益に供せよ-内職論
産なきの輩への内職のススメ
国益に供せよ
誰にでもできて上品
決戦下の主婦の務でありませう
お金もうけだけが目的でできるものではありません

第三章 貴女は慰めになる-戦時下の手芸論
戦争中なのに手芸なんて
軍艦だつてもとは手芸から出発してゐる
花をつくっている奴は非国民だ
真心の弾丸
メディアの中の慰問人形
背囊に小さな人形をぶら下げて
戦時だからこそ手芸が必要なのです

第四章 祈りを届けよ-千人針の表象
女性の“呪力”によって敵から身を守る
「千人針」という戦時パフォーマンス
表象の「千人針」
縫う女を見ていたい

第五章 家庭は貴女の展覧会場-戦後手芸論
このおそるべき手芸ブーム
戦後手芸界の再編-手芸ブームの土台
「暮らしの中の手芸」
白い壁を手芸作品で飾りましょう
女って、針さえ持っていれば心が休まりますものね
あんなに丹精をこめるワイフなら

第六章 救世主は貴女だ-女職人論
職人の世界は「おとこ社会」である
職人になりたい
伝統工芸界は危機の時代にある
まさに女性にふさわしい仕事である
伝統工芸は生き残れるのか
救世主は貴女だ

第七章 社会の役に立たねば-刑務所の伝統工芸論
人件費タダですから
働く者としての忍耐強さを醸成する
低賃金でも継続的に就労する
技能を習得しても就職に結び付かない
刑務作業で地域に貢献
社会の役に立て

終章 言説のゆくえ
抵抗の言説・抵抗の手芸-フェミニズムと手芸
男が手芸をして何が悪い-Queering the Subversive Stitch
「好き」を「仕事」にする!-ハンドメイドブーム

あとがき

在庫状態 : 在庫有り
¥4,950(税込)
数量