「ピアノを弾く少女」の誕生 ジェンダーと近代日本の音楽文化史

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[2023年9月/四六判/320頁/]
著=玉川裕子
発行=青土社


目次:
序 章 近代日本のピアノと女性

第I部 「ピアノを弾く女性」という記号-イメージの生成
第1章 「ピアノを弾く女性」-少女たちが夢見たもの
1 憧れのイメージ「ピアノを弾く女性」
2 『少女の友』にみる「音楽のある風景」
3 楽器とジェンダー
4 良家の子女の楽器
5 ピアノとヴァイオリンのヒエラルキー


第2章 琴から洋琴(ピアノ)へ-近代日本の知識人男性が音楽に託したもの
1 夏目漱石作品のなかの音楽
2 和楽器の響きがもたらす世界
3 西洋音楽を奏でる男たち、女たち
4 ヴァイオリンを弾く女学生、ピアノを弾く令嬢


Intermezzo 1 「ピアノを弾く少女」と《乙女の祈り》-ドイツの場合

第II部 家庭と音楽-イメージと現実の交差するところ
第3章 百貨店と音楽-音楽と商業は手に手をとって
1 「日本の新流行は三越より出づ」
2 アメリカのデパートメントストアにおける音楽活動
3 音楽のある風景-新しい都市住民のための理想の生活スタイル
4 商品としての音楽
5 楽器とジェンダー-三越の場合
6 「芸術は芸術の園」へ-商業は芸術から身を引いたのか?


第4章 近代日本における家庭音楽論-「一家団欒」という未完の夢を越えて
1 「家庭音楽」とは?
2 一九一〇年前後の「家庭音楽」をめぐる言説
3 和洋折衷の音楽
4 家庭音楽の不可能性
5 女性たちがピアノを奏でる場


Intermezzo 2 ドイツの家庭音楽

第III部 音楽を奏でる女性たち-近代日本の音楽愛好家と職業音楽家
第5章 音楽に親しむ少女たち-女子学習院の場合
1 女学校の音楽会
2 学習院と音楽
3 音楽の鳴り響く場1-儀式の音楽
4 音楽の鳴り響く場2-修辞会
5 音楽の鳴り響く場3-音楽会
6 ピアノを奏でる女性皇族


第6章 女性職業音楽家の光と影-音楽はジェンダー規範の解放区?
1 活躍する女性職業音楽家
2 音楽に学ぶ明治の女性たち-音楽取調掛および東京音楽学校の女子学生
3 教壇に立つ明治の女性たち-音楽取調掛および東京音楽学校の女性教員
4 明治期におけるジェンダー規範の再編成と音楽


終 章 規範の流動性と「ピアノを弾く女性たち」


あとがき

女子学習院『おたより』発行年月日一覧
女子学習院 修辞会及び音楽会にみられる主な楽曲
「学習院女子」音楽会開催一覧表

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