自由が丘画廊ものがたり 戦後前衛美術と画商・実川暢宏
[2023年10月/四六H/280頁/]
著=金丸 裕子
発行=平凡社
アーティストたちが次々と自由な表現を試みた、日本の前衛美術運動。その渦中に身をおき、「自由が丘画廊」という舞台で、とびきりの知的冒険を楽しんだ画商がいた-。
伝説のギャラリスト・実川暢宏の回想を軸に、アーティスト、ギャラリスト、そしてコレクターたちの青春群像を生き生きと描き出す。
目次:
1. 伊豆に疎開していたピカソの絵
幻の画商
伊豆韮山の地縁
柏木先生と旧福島コレクション
画商への淡い憧れ
2. 一九五〇年代、岡本太郎がヒーローだった
岡本太郎のこと
鎌倉にできた日本初の近代美術館
瀧口修造が携わった画材屋の画廊
河原温と出会った新宿風月堂
古本屋で画集を眺めたフィルム運び時代
3. 現代美術を広めた先人たち
激動の一九六〇年代のなかで
憧れの画商、 志水楠男
エスパース画廊での出会い
あたたかきパトロン、久保貞次郎
ただものではない恩人たち
4. 画商への入口
画商は大物をつかめという神話
前衛文化が根付いていた自由が丘
「小コレクターの会」の会場になる
駒井哲郎のマザーギャラリー
若き協力者たち
5.新星と先駆者
現代美術のスターとの出会い
李禹煥と「もの派」
山口長男とオノサト・トシノブ
駒井哲郎と岡鹿之助
6. 欧州の画商たち
パリへ
ジャック・デュブール画廊
ミラノの森下慶三
ミラノにあった具体の絵
ヨゼフ・ボイスの破壊力
7. 画商とコレクター
型破りのコレクター
反骨の野球少年から現代美術のコレクターへ
この人なら騙されてもいい
唯一無二の山口長男コレクション
私設ギャラリー、アートスペース シモダ
8.集められた絵、集まった人々
思い出深い展覧会
デュシャンにまつわる二つの出来事
示唆を与えてくれた人たち
草間彌生に惚れ込んだある画商
癖のある同業者、洲之内徹のこと
9. 画商という商売は、麻薬みたいなもの
「銀座へ出てやろう」
美術館ブームの到来
前衛いけ花作家 中川幸夫
画商という商売を憂ふ
現代美術の未来のために
エピローグ 都心の隠れ家に遊ぶ
[寄稿]
むかし、むかし、自由が丘という街に自由が丘画廊という画廊がありました。
| 御手洗照子(t.gallery)
あとがき
[自由が丘画廊 展覧会記録]