政治と政治学のあいだ 政治学者、衆議院選挙をかく闘えり
[2023年12月/四六判/240頁/]
著=大井赤亥
発行=青土社
目次:
はじめに
第I部 1993年体制をめぐって
第1章 1993年体制と「3・2・1の法則」-政治的選択肢の健全な拮抗のために
1 「保守・旧革新・改革」の三極構造
2 二大政党制の企図と三極構造の現実
3 「3・2・1の法則」
4 遠心する「二つの野党」
5 「自民一強」の二面性
6 平成における政権交代の成立条件
7 来たるべき政権交代の可能性
第2章 1993年体制と「平成デモクラシー」-三極構造の現実と二大政党制の企図
1 政治空間・政党・議員内閣制
2 「平成デモクラシー」の議論の収斂
3 小選挙区制の役割の変化?
4 政治改革が求めた「改革野党」
5 新進党の挫折
6 民主党の成長
7 政党政治のこれから-個人と中間団体
第3章 「3・2・1の法則」と政党対立の再編成-二つの争点軸と三極構造の変容
1 岸田政権の性格-アベノミクスと憲法
2 野党共闘の挫折と連合の動向
3 維新による争点軸の変容
4 二つの争点軸と三極構造のこれから
5 「外交安全保障・憲法」をめぐる「ネオ五五年体制」?
6 「行財政改革・社会保障」の争点軸と政党政治の再編成
7 「リベラル(旧革新)」と「改革」の結合
第4章 コロナ時代の日本政治の対立軸-対立争点から合意争点への交錯と移行
1 合意争点と対立争点
2 「改革」という合意争点
3 安倍政治をめぐる対立争点
4 コロナ政治という合意争点
5 2021年衆院選における「合意」と「対立」の交錯
6 不確実な時代を見据えて
第II部 2021年衆議院選挙を闘って
第5章 政治学者、衆議院選挙に飛び込む-黄昏を待ちきれなかった梟
1 ルビコン川を渡る
2 政治活動のはじまり
3 手探りの政治活動
第6章 コロナに試された日本政治-政治不信のなかのパンデミック
1 コロナ禍の商店街めぐり
2 政治の使い方
3 コロナ禍と「身を切る改革」の磁場
第7章 政治家だけが知りえること-民衆との「接触」を強いる選挙という工夫
1 選挙は何のためにあるか
2 広島の政治情勢
3 2021年参議院再選挙
第8章 衆議院選挙を迎え撃つ-「安倍一強」をめぐる政治対決の総決算
1 変化する政局
2 選挙に向けた準備
3 選挙戦を駆け抜ける
4 残された課題
第III部 未知の時代に踏み出す日本政治
第9章 「悪さ加減の選択」再考-「自分事」の判断基準
1 政党政治と有権者の不全感-福澤諭吉と丸山眞男の文脈
2 陸奥宗光における「権力の限界の認識」
3 マキャベリと「小悪を善とする賢明」
4 政治をベストの選択として捉えたら?
5 政治の「悪さ」を一律に批判したら?
6 「悪さ加減の選択」と比例
7 政治と病気
8 悪と知りながら悪を選ぶ判断
9 コスト分配の時代の民主主義
第10章 日本政治のヴィジョンをめぐって-「革新」・アイデンティティ政治・脱成長コミュニズム
1 ヴィジョンへの渇望
2 「革新」の喪失
3 アイデンティティ政治とのつきあい方
4 ヴィジョンとしての脱成長コミュニズム?
5 ヴィジョンをもたらす必然性と意志
あとがき