グローバルな物語の時代と歴史表象 『PACHINKO パチンコ』が紡ぐ植民地主義の記憶

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[2024年2月/A5/244頁/]
編/著=玄武岩/金敬黙/李美淑/松井 理恵
発行=青弓社


目次:
序 章 グローバルな物語としての『パチンコ』-小説からドラマへ
| 玄武岩
1 ドラマ『パチンコ』の世界-移動・交差・因業
2 『パチンコ』は誰の物語なのか
3 「記憶と和解」のポリティクス


第1部 国際シンポジウムの記録
第1章 〈基調講演〉
『パチンコ』と在日コリアンの「社会資本」-歴史とフィクションのはざま
| テッサ・モーリス=スズキ
1 小説『パチンコ』に関する読者の反応
2 小説とテレビドラマ
3 歴史に対する真摯さ
4 ラムザイヤー論文と在日コリアンの歴史
5 映画『否定と肯定』で語られている歴史に対する真摯さとフェイク
6 在日コリアンの過去と現在-歴史とフィクション


第2章 〈座談会〉
ドラマ『パチンコ』から考えるグローバル・メディア時代の記憶と忘却
| テッサ・モーリス=スズキ/鄭炳浩/姜信子/金敬黙

[コラム1]『パチンコ』第1シーズンの歴史考証の諮問団に参加して | 李成市
[コラム2]複数の声が集まる現場から | 伊地知紀子
[コラム3]私が『パチンコ』を制作したくなかった理由 | スー・ヒュー

第2部 『パチンコ』を読み解く
第3章 ドラマ『パチンコ』の「在日」表象を可能にしたもの
| ハン・トンヒョン
1 韓国メディアの「在日」表象
2 戦後日本映画の「在日」表象
3 ドラマ『パチンコ』の「在日」表象からみえること
4 ドラマ『パチンコ』の「在日」表象の背景


第4章 植民地時代を描くことの難しさ-創作者の立場から
| 深沢 潮
1 日本の小説や映像の在日コリアン
2 忖度の問題
3 『パチンコ』の植民地統治下の朝鮮と日本の情景の描き方-新しさと従来の踏襲
4 とくに注目する描き方の新しさ
5 学知と社会の中間を描くことの難しさ
6 四世代ものが「良質な物語」を構築しえるか
7 作品のリアリティーと歴史のリアルのはざま
8 「在日」の表象としてのパチンコ


第5章 ドラマ『パチンコ』が映し出す世界と「Zainichi」の生
-猪飼野の路地からみえる「世界」
伊地知紀子
1 個人の生と植民地支配という暴力
2 猪飼野という町と朝鮮人
3 路地からみる「世界」


第6章 二つの『パチンコ』の歴史の語り方
-登場人物と警察の関係に注目して
| 宮地忠彦
1 ドラマ版での登場人物と警察の関係の描写や歴史の語り方
2 小説『パチンコ』の警察官像と歴史の語り


第7章 描かれた朝鮮人虐殺と描かれていないこと
| 小薗崇明
1 「日本人」と「朝鮮人」をどのように区別したのか
2 朝鮮人虐殺は九月一日?
3 悪いのは自警団だけ?


[コラム4]コ・ハンスはどのように済州島から日本へ渡ったのだろうか | 高鮮徽
[コラム5]徳寿丸で自決したソプラノ歌手と尹心悳 | 武藤 優
[コラム6]朝鮮人社会とキリスト教、そしてパチンコ玉の人生 | 藤野陽平

第3部 『パチンコ』と歴史表象のポリティクス
第8章 世界は『パチンコ』をどう観たか-三言語・アジア・移民の物語
| 李美淑
1 三言語のドラマが表象する植民地主義
2 アジアンの物語であり、グローバルな物語
3 移民の物語であり、普遍的な物語
4 交差する物語と親密性-つながりの未来へ


第9章 なぜ日本では『パチンコ』がはやらなかったのか
| 倉橋耕平
1 ウケる「国民の物語」
2 「移行期不正義」を認めない日本社会
3 学知と社会の中間の模索


第10章 『パチンコ』とOTTナラティブのリアリティー
-受容者資源論との接点
| イム・ジョンス
1 グローバルOTTと歴史再現の新たな挑戦
2 OTT大河ドラマ『パチンコ』を読む
3 OTT大河ドラマのリアリティー-受容者資源論


第11章 歴史のナショナル/グローバルな占有を超えて
-ラムザイヤー論文と『パチンコ』の距離
| 趙慶喜
1 加害-被害の無効化
2 普遍的主体の再生産
3 被害者の自己責任論
4 文化的レイシズム
5 歴史のグローバルな占有


[コラム7]記憶のグローバル化とドラマ『パチンコ』 | 松井理恵
[コラム8]小説『パチンコ』と対照的な、マーク・ラムザイヤーの在日コリアン論文の語り | 宮地忠彦

あとがき | 玄武岩

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