暗黒の形而上学 触れられない世界の哲学
[2024年4月/四六判/288頁/]
著=飯盛元章
発行=青土社
目次:
プロローグ 世界は触れられなさで満ちている
1 本書の内容について-暗黒の形而上学
2 本書の方法について-哲学はスイングバイによって思考の深宇宙へ飛び立つ
I わたしたちはすべてを認識できない-断絶
第1章 関係の糸を引き裂き、自由な存在を撒き散らせ
1 ムスビと乗り換え
2 「無縁」の原理-無縁・公界(くがい)・楽(らく)・ヤックル
3 空虚に封じられた非関係的実在
第2章 ホワイトヘッド哲学最速入門
1 マイナー哲学としてのホワイトヘッド哲学
2 ホワイトヘッド哲学最速入門-連続のほうへ
3 ホワイトヘッド哲学に潜む四つの断絶-断絶のほうへ
第3章 ようこそ!狂気の怪奇オブジェクト空間へ-ハーマン入門
1 怪奇的な対象で満ちた世界
2 狂った観者になる
第4章 関係と無関係、あるいは美と崇高-ホワイトヘッドとハーマンの形而上学
1 野蛮な侵犯者としてのホワイトヘッドとハーマン
2 ホワイトヘッドの有機体の哲学
3 ハーマンのオブジェクト指向哲学
4 より崇高なる崇高のほうへ
第5章 思弁的実在論は闇を光に転化させてしまう-ベンスーザン『指標主義』のブックガイド
1 著者ヒラン・ベンスーザンと『指標主義』について
2 指標主義 vs.実体主義-他者の形而上学へ
3 思弁的実在論批判
4 レヴィナス×ホワイトヘッド-汎知覚論へ
5 逆説的形而上学、ポスト思弁へ
[note]ベンスーザン『指標主義』をめぐって(第5章への追記)
II 「法則」の外はとつじょ到来する-破壊
第6章 哲学はなぜ世界の崩壊の快楽を探究してしまうのか-パンデミックから破壊の形而上学へ
[note]破壊性へ-メイヤスーの「絶対的偶然性」とハーマンの「汲みつくせなさ」について
第7章 非ネットワーク的外部へ-ラトゥール、ホワイトヘッド、ハーマンから、破壊の形而上学へ
1 方法と形而上学的モデル
2 存在者のネットワーク性-ラトゥールとホワイトヘッド
3 非ネットワーク的外部へ-ハーマン
4 さらなる非ネットワーク的外部へ-破壊の形而上学
[note]破壊の形而上学 基本テーゼ(ver. 0.91)
第8章 ディグ的、あるいはスイングバイ的読解
1 永井均『私・今・そして神-開闢の哲学』
2 永井均『遺稿焼却問題』
3 マーク・フィッシャー『ポスト資本主義の欲望』
4 デイヴィッド・J・チャーマーズ『リアリティ+』
5 ブリュノ・ラトゥール『パストゥールあるいは微生物の戦争と平和、ならびに「非還元」』
[note]過剰創発宇宙
第9章 闇堕ちの哲学-怒りのダークサイド試論
1 理性的で未来志向の怒り?
2 怒り・変身・闇堕ち
3 純粋な怒りと純粋な赦し
第10章 変身から異世界転生へ-カフカ、ドゥルーズ+ガタリ、マラブー、メイヤスーをめぐって
1 ふたつの変身-サルとグレゴール
2 ふたつの檻-意味的檻と物質的檻
3 「破壊」概念の破壊-破壊的可塑性から〈あらゆるものを破壊しうる時間〉へ
4 「変身」概念の変身-変身から異世界転生へ
エピローグ 破壊の形而上学、略してMOD(モッド)の全面的展開へ向けて
あとがき