スピノザ考 人間ならざる思考へ

142902

[2024年5月/四六H/416頁/]
著=上野修
発行=青土社


目次:
はじめに

序章にかえて-亡びについて

I スピノザ哲学の核心へ
第1章 スピノザと真理
1 対応説か整合説か(?)
2 問題の諸次元
3 考察と総括


第2章 『エチカ』は定義で始まる
1 単なる名目的定義でいいのか
2 『知性改善論』の行き詰まり
3 定義のスピノザ的な区別
4 それ自身が吟味されるために立てられる定義
5 結論


第3章 現実性と必然性
1 スピノザの必然主義
2 真なる観念の内的規定
3 神ないし自然
4 認識の三種の区分
5 考察-必然性と強い現実性概念


第4章 永遠の相のもとに
1 スピノザの永遠
2 現実は神だった
3 スピノザからの挑戦
4 精神の眼は証明そのもの


第5章 〈ある〉のすべて
1 チャーマーズの反実在論
2 〈ある〉のすべて(omne esse)
3 実体の論証
4 様態の論証
5 (討議)
6 スピノザの存在論的実在論(結論)


第6章 二つの「あたかも」
1 契約の「あたかも」-ホッブズの契約説
2 スピノザ『神学政治論』のアノマリー
3 群集の「あたかも」-スピノザ『政治論』
4 結論-二つの「あたかも」と政治的理性


第7章 自然権と自然の権利
1 予備的考察
2 自然権の定義
3 自然権の停止問題
4 国家の定義
5 戦争の法


II 哲学史を通過するスピノザ
第8章 近現代哲学の虚軸スピノザ
1 最初の遭遇-ライプニッツ
2 第一のルネッサンス-汎神論論争からドイツ観念論へ
3 虚軸スピノザ
4 第二のルネッサンス-現代フランス
5 必然主義という問題
6 終わりに-石像の宴の謎


第9章 現実性をめぐって-ライプニッツとスピノザ(1)
1 様相論の二つの系譜
2 ライプニッツの現実概念
3 スピノザの現実概念
4 可能的なものと潜在的なもの
5 結論


第10章 スピノザという崖っぷち-ライプニッツとスピノザ(2)
1 崖っぷち
2 可能世界
3 真理の分析
4 スピノザの深淵
5 世界の奥行き
6 魂の深さ
7 パースペクティヴの消滅に抗して
8 結論


第11章 一九世紀フランス社会主義におけるスピノザの不在
1 社会主義者たち
2 汎神論?
3 汎人類論
4 スピノザの不在


第12章 シモーヌ・ヴェイユとスピノザ、酷薄の哲学のために

第13章 アンリとスピノザ、近さと遠さ
1 アンリから見た近さと遠さ
2 スピノザから見た近さと遠さ
3 スピノザの幸福
4 パラドックス


第14章 ラカンにおけるスピノザのプレゼンス
1 第一の手がかり-デカルト的主体、スピノザ的定式
2 第二の手がかり-数学化、主体と真理
3 第三の手がかり-縫合と排除、科学とパラノイア
4 第四の手がかり-サントーム、分析の終了


第15章 マルチチュードの転覆性について-ネグリとスピノザ
1 問題としての「群集」
2 統治の定義項としての群集の力能-「残りの者」再訪
3 ネグリのマルチチュードとスピノザの群集
4 スピノザの転覆性-結論


終章にかえて-人間ならざるものに向けて

あとがき

在庫状態 : 在庫有り
¥3,960(税込)
数量