春を売るひと 「からゆきさん」から現代まで
[2024年6月/四六H/228頁/]
著=牧野宏美
発行=晶文社
目次:
はじめに
第1章 からゆきさんの声
「声」との出合い/「からゆきさん」/汚物で身を守る/ムシロをかぶって上陸/
「忙しかときは痛かとですよ」/「日本人客は好かん」/中絶と不妊手術を迫られる/
別れと帰国/「醜業婦」と呼ばれて/夜を徹してのインタビュー/
からゆきさんの墓へ/春代のからゆきさんとしての半生/帰って来たからゆきさん/
「島原の子守唄」/唯一のからゆきさん遺跡「天如塔」/実像と変化/“娼婦は必要”/
記憶を語り継ぐ/からゆきさんの歌/春代の墓
第2章 「パンパン」と呼ばれて
「街頭に立った女性たち/「性の防波堤/オフリミッツ公娼制度廃止/「キャッチ」/
局部検診という性暴力/キャッチの目撃者/パンパンになるきっかけ/
「やけくそで」に込められたもの/「会話しただけで」「処女なのに」/家出・孤独/
なぜ街娼となったか/街娼と戦後/基地の街・朝霞/「白百合会」/「オンリー」/
「日本の上海」と呼ばれた街で/基地の子が見た「お姉さん」/
売春防止法から反基地運動まで/口をつぐむ人々/元娼婦との再会/
伝説の娼婦、メリーさん/メリーさんのライバル/「仕方ないでしょ、生きるために」/
家族を養うため/「もう一度生きてみようと」
第3章 娼婦はどう見られてきたか
「容姿で選ばれる「商品」へ/遊女への蔑視/遊廓/日本の性的慰安施設/
公娼制度廃止と売春防止法施行/女性たちへのまなざし
[吉原脱出]
現在の吉原/吉原を脱出/遊女の取り分と罰金/性病検診/遊女たちの友情/
その後の光子と吉原
第4章 分断を越えるために
「風俗業をやっている人間はいなくていい」/立川デリヘル殺人事件/判決/
歌舞伎町を夜回りする/居場所のない少女たち/
性風俗がセーフティーネットという現実/「困難女性支援法」の成立/
現代のからゆきさん/分断を乗り越えるために
おわりに
主な参考文献・資料一覧