「ふつうのLGBT」像に抗して 「なじめなさ」「なじんだつもり」から考える
[2024年11月/四六判/216頁/]
著=森山至貴
発行=青土社
目次:
I なじめない私
第1章 居場所がしんどい、現場がこわい
1 問いとしての「エスノグラフィでなさ」
2 エスノグラファーは「あとがき」に何を書くのか?
3 裏返しのヒロイズム
4 懸命にゲイにならない
5 エスノグラフィでもよかった、かもしれない
第2章 「二丁目に捨てるゴミ無し」と人は言うけれど、
1 並立する複数の「イケメン」
2 あなた好みではないけれど
3 「専」の思想
4 拒絶を包摂する
5 選べる人、とその他大勢
6 ゆるやかな滑落
第3章 ないことにされる、でもあってほしくない-「ゲイの男性性」をめぐって
1 「の」は「も」でしかないのか?
2 「ゲイの男性性」=「従属的男性性」?
3 バトラーとセジウィック
4 「ホモズ」から「イカホモ」へ
5 女の男性性
6 「ゲイの男性性」が必要、なのか?
第4章 「LGBT」が「活用」されれば満足ですか?
1 現在性と歴史性
2 ネオリベラリズムへの取り込み
3 ネオリベラリズムとは何か
4 構造的差別を腑分けする
5 潜勢力を汲み尽くす
II なじんだつもりのあなた
第5章 「最近はLGBTをテレビや映画でよく見かけるし、時代は変わったよね」
1 「ブーム」という歴史認識
2 「LGBT」≠セクシュアルマイノリティ
3 都合のよい小道具
4 描く側/描かれる側
5 「リアルなLGBT像」
6 社会的カテゴリー
7 社会反映論
8 で、本当に時代は変わったの?
第6章 「どんな見た目でもいいじゃない、LGBTの人たちみたいに」
1 「多様な性を生きる人々の見た目は多様」?
2 性別二元論の構図
3 「らしさ」をめぐる苦闘
4 「選択」の焦点
5 身体と装いの二分法
6 「見え」への還元に基づく寛容
7 見て見ぬふりに抗して
第7章 笑っても地獄、笑わなくても地獄
1 笑えない下ネタは、それでものさばる
2 下ネタペンスルール
3 真面目さは封じられる
4 消極的な共謀
5 「われわれ」と「あっち側」
6 笑わないのは織り込み済み
7 ネガ下ネタ
8 向こう岸に泳いでいかない
第8章 「何に困っているのか教えてください」
1 聞く気に満ち溢れたマジョリティ
2 私はあなたの教師ではない
3 シーライオニング
4 積極的同意
5 (望むとおりには)聞こえません
第9章 「今度はインターセクショナリティが流行ってるんだって?」
1 「流行」を正しく後押しするために
2 方針として? 性質として?
3 誤解と曲解に応答する
4 「新しい言葉」に賭けてみる
おわりに