映画監督 ドン・シーゲル ノワールを遠く離れて
[2025年1月/四六判/320頁/]
著=吉田 広明
発行=作品社
目次:
まえがき
第一章 修業 ワーナーでの短編監督デビューまで
アクション映画作家ドン・シーゲル/生誕から大学卒業まで
演劇経験/ワーナーへ/モンタージュ部門/モンタージュ=オーヴァーラップ/
ホークス、ウォルシュ、カーティス、リトヴァク/
『ヒトラーは生きている』でのモンタージュ/自作に生かされた編集技術/
バロックとビザール/監督昇進へ
第二章 初期 シーゲルがシーゲルになるまで
『ベツレヘムの星』/『ビッグ・ボウの殺人』/『暗闇の秘密』/
シーゲルの製作方法/ワーナー退社/『仮面の報酬』/『贅沢は素敵だ』/
五十四分の映画/『暗黒の鉄格子』/『中国決死行』/TVの仕事/
第三章 中期 シーゲル世界の完成と展開
スタジオ・システム崩壊期の同時代作家たち/ウォルター・ウェンジャー/
ウェンジャーとクレイン・ウィルバー/社会批判的な視点とリアリズム/
弟子 ペキンパーとイーストウッド/『地獄の掟』/『USタイガー攻撃隊』/
『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』/反共、反=反共/『暴力の季節』/
『スパニッシュ・アフェア』/『殺し屋ネルソン』/『裏切りの密輸船』/
『殺人捜査線』/『グランド・キャニオンの対決』/
『疑惑の愛情』、『燃える平原児』/映画化されなかった西部劇/『突撃隊』/
『殺人者たち』/『犯罪組織』/『太陽の流れ者』/キャリアの不安定性と一貫性/
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第四章 後期 スタジオ・システムの崩壊とシーゲル作品の変化/
製作状況の変化/『刑事マディガン』/『マンハッタン無宿』/
『ガンファイターの最後』/『真昼の死闘』/『白い肌の異常な夜』/
『ダーティハリー』/『突破口!』/『ドラブル』/『ラスト・シューティスト』/
『テレフォン』/『アルカトラズからの脱出』/『ラフ・カット』/
『ジンクス!あいつのツキをぶっとばせ!』/五〇年代作家の引き際
第五章 敵地 シーゲルの映画的時空間
敵地への変貌/戦争映画の場合/任務として逆境へ/突然生じる逆境/
究極の敵地としての監獄/メッセージ性、悪役の不在/感情移入できない構造/
過去の不在/『アルカトラズからの脱出』/「外」の不在/唐突さ/袋小路/
愚直と過激
第六章 偽装 シーゲル的イメージ
敵地でなくなること/偽装/犯罪者たち/偽装から操作へ/
偽装の主題の現れ/『白い肌の異常な夜』/『突破口!』/その後の作品での偽装/
『ラフ・カット』と『ジンクス!あいつのツキをぶっとばせ!』/
シーゲルとヒッチコック/イメージの他者性=あだ名/最も恐るべき他者イメージ
第七章 追跡 シーゲル映画が向かう先
唐突な始まりと終わり/タイムリミット/非ノワールとしての『殺人者たち』/
白か黒か/画面としての反=ノワール/追う者と追われる者の逆転/
追跡ならざる追跡/「外」/姿勢としての「外」
ドン・シーゲル フィルモグラフィ
あとがき