激動、昭和史の墓
[2024年9月/A5/288頁/]
著=合田一道
発行=寿郎社
目次:
はじめに
第1墓 鬼熊事件-“鬼熊”と恐れられた男が三人殺害[岩淵熊次郎]
第2墓 文豪の自殺-“ぼんやりした不安”の果てに[芥川龍之介]
第3墓 “ヤマセン”暗殺-治安維持法改正案に一人反対[山本宣治]
第4墓 無教会主義の思想家-非戦を説き、聖書研究に没頭[内村鑑三]
第5墓 日本細菌学の父-破傷風の純粋培養に成功[北里柴三郎]
第6墓 浜口雄幸狙撃事件-“ライオン宰相”ホームで撃たれる[浜口雄幸]
第7墓 日本資本主義の父-五〇〇社以上の創立に関わる[渋沢栄一]
第8墓 血盟団事件-“一人一殺”の暗殺計画[井上準之助/団琢磨]
第9墓 坂田山心中事件-墓から遺体が盗まれる[調所五郎/湯山八重子]
第10墓 五・一五事件-青年将校らが首相を暗殺[犬養毅]
第11墓 拷問死-プロレタリア作家、特高警察に虐殺される[小林多喜二]
第12墓 国際親善に努めた教育者-「われ太平洋の橋とならん」[新渡戸稲造]
第13墓 二・二六事件-“昭和維新”を叫ぶ青年将校らが閣僚を暗殺
[高橋是清/斎藤実/渡辺錠太郎/野中四郎/河野寿/香田清貞/安藤輝三/栗原安秀/
竹島継夫/対馬勝雄/中橋基明/丹生誠忠/坂井直/田中勝/中島莞爾/安田優/高橋太郎/
林八郎/渋川善助/水上源一/村中孝次/磯部浅一/北一輝/西田税]
第14墓 阿部定事件-男を殺害し性器を切り取る[阿部定/石田吉蔵]
第15墓 津山三十人殺し-横溝正史『八つ墓村』のモチーフに[都井睦雄]
第16墓 病妻を詠んだ『智恵子抄』-「あなたはレモンを待つてゐた」[高村智恵子/高村光太郎]
第17墓 現代漫画の祖と歌人の妻-自らの信条に生きた一族[岡本かの子/岡本一平]
第18墓 野球大会で球聖逝く-函館太洋の久慈次郎、牽制球に当たって[久慈次郎]
第19墓 ソ連船遭難事故-荒れる海で必死の救助活動[〈インディギルカ〉号乗船者]
第20墓 四高ボート部遭難事故-『琵琶湖哀歌』と〈四高桜〉[〈加茂〉号乗船者]
第21墓 “空の軍神”死す-隼戦闘隊長の壮烈な最期[加藤建夫]
第22墓 浪漫派歌人の代表格-「君死にたまふことなかれ」で戦争を批判[与謝野晶子]
第23墓 稀代の“天才詩人”-視力を失うも歌作に没頭[北原白秋]
第24墓 海軍元帥の戦死-米軍による報復作戦のターゲットに[山本五十六]
第25墓 代議士の割腹自殺-「戦時宰相論」で首相を批判[中野正剛]
第26墓 ゾルゲ事件-“東亜変革”の夢と諜報と[尾崎秀実]
第27墓 伝説の剛腕投手-全米チーム相手に快投し、戦場に散る[沢村栄治]
第28墓 敗戦、腹を切った陸軍大臣-「一死以テ大罪ヲ謝シ奉ル」[阿南惟幾]
第29墓 特攻作戦発案の海軍中将-「死を以て英霊に謝せん」[大西瀧治郎]
第30墓 処刑第一号の陸軍大将-軍の統率者としての責任を問われて[山下奉文]
第31墓 文学賞創設の功労者-『文藝春秋』を創刊[菊池寛]
第32墓 玉川上水心中死-『グッド・バイ』書き上げて[太宰治]
第33墓 「A級戦犯」として処刑-「平和に対する罪」などを問われて[東條英機]
第34墓 処刑された唯一の民間人-「ママノメイフクヲイノル」[広田弘毅]
第35墓 下山事件-国鉄総裁が轢死[下山定則]
第36墓 民主主義文学運動の旗手-婦人民主クラブの創立に参加[宮本百合子]
第37墓 被曝した体で被災者を診断-病床で『長崎の鐘』などを出版[永井隆]
第38墓 帰宅中に射殺の「白鳥事件」-札幌市警の警備課長殺害[白鳥一雄]
第39墓 洞爺丸事故-超大型台風、五連絡船を呑み込む[〈洞爺丸〉乗船者]
第40墓 紫雲丸事故-濃霧の中、第三宇高丸と衝突[〈紫雲丸〉乗船者]
第41墓 反骨のジャーナリスト-独自の筆致で社会を風刺[宮武外骨]
第42墓 “人間嫌い”の文人-“偏奇”と“自由”の美学[永井荷風]
第43墓 国会突入で衝突死-六〇年安保の悲劇[樺美智子]
第44墓 浅沼稲次郎刺殺事件-「三党立会演説会」の演壇上で[浅沼稲次郎/山口二矢]
第45墓 吉展ちゃん事件-繰り返される不気味な脅迫電話[村越吉展]
第46墓 日本プロレス界の父-暴力団員に刺殺される[力道山]
第47墓 望郷の作家-ラジオ番組の録音中に突然死[佐藤春夫]
第48墓 童謡『赤とんぼ』の作詞者-タクシーにはね飛ばされ死ぬ[三木露風]
第49墓 北大山岳部遭難事件-「書置」を書く[沢田義一]
第50墓 “ワンマン宰相”内閣退陣-難航する戦後政治を牽引[吉田茂]
第51墓 メキシコ五輪目前の死-「走れません」の遺書残し[円谷幸吉]
第52墓 昭和の名横綱-前人未到の連勝記録、六九で止まる[双葉山定次/安芸ノ海節男]
第53墓 日本の喜劇王-エノケンの泣き笑い人生[榎本健一]
第54墓 自衛隊総監室で割腹自殺-バルコニーで蜂起を叫ぶ[三島由紀夫]
第55墓 あさま山荘事件-連合赤軍との銃撃戦に斃れる[高見繁光/内田尚孝]
第56墓 ノーベル賞作家、ガス自殺-文豪の死に漂う影[川端康成]
第57墓 しゃべくり漫才の祖-関西弁で“笑い”ふりまく[花菱アチャコ]
第58墓 大久保清事件-仮釈放後一カ月で八人殺害[大久保清]
第59墓 昭和を謳歌した銀幕の大女優-歯を抜き、老婆役を演じる[田中絹代]
第60墓 永遠のヒロインを演じた名優-新派の枠にとらわれず幅広く[水谷八重子]
第61墓 昭和の爆笑王-死の床も笑いのネタ探しに没頭[林家三平]
第62墓 台湾旅行中に事故死-チョウの採集を兼ねた旅で[向田邦子]
第63墓 六〇年安保闘争の指導者-北大に唐牛あり[唐牛健太郎]
第64墓 “銀幕のヒーロー”-“永遠の二枚目”と謳われて[長谷川一夫]
第65墓 奔放に歌う“ブギの女王”-進駐軍を驚かせる[笠置シヅ子]
第66墓 日本航空123便墜落事故-死者五二〇人、その中に坂本九[日本航空123便乗員乗客]
第67墓 赤報隊事件-朝日新聞記者、撃たれる[小尻知博]
第68墓 帝銀事件-青酸カリで一二人毒殺[平沢貞通]
第69墓 若き“国民的大スター”-映画『太陽の季節』で鮮烈デビュー[石原裕次郎]
第70墓 説教強盗-説教をする強盗が夜ごと出没[妻木松吉]
第71墓 “昭和”の終焉-“女王”ひばりの死[美空ひばり]
第72墓 人気女優のソ連亡命-演出家とともに樺太の国境を越えて[岡田嘉子]
第73墓 ロッキード事件-金権政治、明らかに[田中角栄]
第74墓 終戦から二七年目の帰還-グアム島でのジャングル生活を経て[横井庄一]